早朝営業のラーメン店&屋外プールは使用禁止“亜熱帯化”で変わる日本
社会|
07/08 19:54
猛暑日続出で「亜熱帯化」したといわれる日本列島。私たちの生活にも変化が出ています。
■日本が「亜熱帯化」?
“亜熱帯化”が進む日本。飲食店では気温が上がる日中を避けて、朝営業に切り替え。学校では、猛暑の影響で屋外プールが使われていない事態に。
埼玉県内の小学校校長
「暑さ対策という意味では、こういう天気の日でも使えない状況」
都内では高齢者の熱中症が相次いでいます。
8日、東京は2日連続の猛暑日で、最高気温が35.8℃。30℃以上となるのは13日連続です。
40代
「(Q.暑さで変わった『ライフスタイル』は?)買い物をまとめて済ませる。あまり家から出ないようにしている」
「(Q.買い物の頻度は?)数日分まとめて買うようになったので、半分近くに減った」
この夏は、過去にない異変が起きています。
亜熱帯気候の沖縄では、那覇の6月の平均最高気温が平年は29.8℃です。
東京都心では平年26.1℃と那覇より3℃以上低いものの、今年の6月は平均が29.3℃。那覇と0.5℃しか差がありません。
東京が“亜熱帯化”しているのでしょうか。
■室内でも熱中症相次ぐ
都内では、室内で熱中症になる人が相次いでいます。
医師
「クーラーがないのか」
妻
「でも全然『暑い』と言わない」
「在宅診療」を受ける、80代の男性。寝ている部屋にはエアコンがありません。
医師
「扇風機だけ?今あるのは」
妻
「はい」
医師
「結構皮膚が乾いている。脱水症があるかもしれない」
医師
「周り暑くないですか?」
患者
「暑い」
脱水症状がみられる男性。数日前から食欲がなかったといいます。
患者
「あー」
医師
「血圧低めですね」
男性がいる部屋の隣には、エアコンがありますが…。
医師
「クーラーはついてる?」
妻
「去年使ったけど、私は別に暑くない」
医師
「風は出ていない。壊れている?」
妻
「分からない」
妻の額には汗が。
医師
「お母さん汗が滴っている」
妻
「私、水風呂に入るから」
一方、夫は。
医師
「汗をかいていない。それが問題。暑いと汗をかいて、それを乾かして体温を下げる」
妻
「大丈夫?」
医師
「脱水症だと思う。熱中症」
熱中症と診断された80代の男性。点滴を受けます。
特に高齢者は「暑さに気付きにくい」と、医師は警鐘を鳴らします。
ひなた在宅クリニック山王
田代和馬院長
「高齢者はもともとの体内の水分量が少ない。体に熱がこもった時の体を冷やすシステムが少し衰えている。暑さに気付きにくい。毎日、複数の人が暑さに起因する体調不良を訴えている。一部の人は熱中症になり重症化している。湿度が高いと、かいた汗が乾かない。水だけが失われて体が冷えない悪循環に入る。気温、湿度両方とも適切にコントロールするのが大切」
■授業中断も
学校生活に変化
学校での生活にも、大きな変化が。気温や湿度などから示される「暑さ指数」を、体育の授業の前には必ず確認します。
教師
「きょうWBGT(暑さ指数)29.4℃。厳重警戒になっているので水分補給をしっかりとります。いいですか?」
児童
「はーい」
暑さ指数は「厳重警戒」のため、熱中症に注意しながら校庭で体育を行います。31以上の「危険」に達した場合は、校庭ではなく体育館に移動します。
開始から、わずか6分で…。
教師
「先生が笛を鳴らすまで水分補給の時間とします」
水分補給の後、サッカーが始まります。しばらくして再び水分を取っていると、ミストの下に児童たちが集まりました。
小学校では、児童たちが熱中症にならないよう、徹底した対策が取られています。
児童
「気持ちいい」
「暑くてもミストがあると気持ちよくて、熱中症になりにくいと思う」
体育の授業が終わった後に再び暑さ指数を確認すると、31℃を超え「危険」に達しています。
養護教諭
伊藤琴乃さん
「湿度と温度がとても高い状況なので、熱中症のリスクが高まる」
暑さ指数が「危険」になった時点で、屋外での運動は禁止になります。校内放送で教師や児童に伝えます。
校内放送
「現在、熱中症の暑さ指数がとても高くなっています。そのため校庭で遊ぶことができません、校舎内で静かに過ごしましょう」
猛暑の影響で屋外で活動できない時間が増えるなか、プールの授業にも変化が。こちらの学校では現在、屋外プールは使っていません。
新座市立八石小学校
川南真一校長
「(プールは)外の体育の1つなので、暑さ対策という意味では、こういう天気の日でも(プールを)使えない状況がある」
プールの授業は、民間委託として別の場所にある室内プールで行っています。
川南真一校長
「今の夏の暑さについては、色々と検討しないといけない事案が増えている」
■早朝営業のラーメン店に行列
猛暑で、飲食店の営業時間も変わっています。
東京・豊島区のラーメン店。もともと午前11時からの営業でしたが、去年夏から開店時間を前倒しして、午前8時からに変えました。
麺創庵
砂田
砂田裕史店主
「もう一言で言うなら暑いから。年々やっぱり暑くなってきて11時にオープンする頃にはとんでもない暑さになっているから、(客に)来てもらうのも気の毒なので」
朝営業に切り替えたことで売り上げが増加。
砂田裕史店主
「1.3倍くらい。昼と夜の時よりも売り上げはいい」
“亜熱帯化”が進む日本。社会の在り方も、大きく変りつつあります。