富士山頂に外国人観光客殺到「気温差」で悪戦苦闘 山開き後初の週末
社会|
07/05 22:30
5日も全国各地で厳しい暑さとなる中、海開きした海水浴場では、これまでと違う変化が。夏のレジャーシーズンが幕を開ける中、湘南では、男子中学生3人が溺れる事故も起きました。(7月5日OA「サタデーステーション」)
■埼玉で記録的短時間大雨情報
5日午後8時ごろ、気象庁は埼玉県で猛烈な雨が降っているとして、記録的短時間大雨情報を発表しました。埼玉県川越市付近では午後8時までの1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったと見られています。関東地方に記録的短時間大雨情報が出されるのは、これで5日連続となります。
報告・仁科健吾アナウンサー
「綺麗な七夕の飾りで平塚の商店街は彩られています。歩くたびに祭りの熱気を感じるほどです」
豪華絢爛な七夕飾り。神奈川県平塚市で開催中の「七夕まつり」は、2024年は3日間で110万人が訪れた日本有数の七夕のイベントです。夕方になっても気温はまだ30℃近く。
平塚市内からきた9歳
Qどんな願い事を書いた?
「『みんなで元気になりたいです』って書いた。『早く涼しくなりますように』も願いたいけど…」
横浜市からきた大学生
「涼しくなってほしいです。もっとミスト出して欲しい」
今年から熱中症対策として、ミストファンを14台設置しました。
■猛暑日100地点超
6日は都内で今年初の熱中症警戒アラート
報告・畑中彩里ディレクター(東京・練馬区
5日)
「正午前の都内です。とうもろこしを収穫するために多くの人が並んでいます」
賑わいを見せていたのは、とうもろこしの収穫体験です。約1万5000本のとうもろこしの中から食べ頃を探し収穫します。とうもろこしを見つけるのに時間がかかりましたが、熱中症対策もしっかり取っています。
とうもろこし収穫体験に来た客
「気持ちいい」
収穫体験のあった東京都練馬区の気温は5日、34.5℃となり真夏日に。6日は、猛暑日となる予想が出ていて、今年初めて都内に熱中症警戒アラートが出されました。
加藤農園
加藤義貴代表
「土日は予約制で行っておりますので、熱中症には気を付けてもらって収穫を楽しみながら迷路も楽しんでいていただけたらなと思います」
■農作物打撃
早い梅雨明け懸念も
連日の暑さによって、大きなダメージを受けているのが農業です。
緑色のレタスの間に、枯れて茶色くなったレタスが目立ちます。大根は、中が空洞に。茶色く焦げたようになっているのは、うまく育てばカリフラワーでした。
カラフル野菜の小山農園
小山三佐男代表
「完全に雨不足と高温障害のダブルパンチによる影響がこのように枯れてしまった原因」
農園周辺の最高気温は、10日連続で30℃以上の真夏日を観測。そうした暑さと水不足の影響で50万円以上の損失がでているといいます。さらなる懸念は、早い梅雨明け。
カラフル野菜の小山農園
小山三佐男代表
「また雨が降らなくなっちゃったらどうしようか。もし40℃を連発したら、せっかく種を蒔いても芽が出ないので、1カ月ずらした方がいいのかなとか難しい」
■「足がつかなかった」海水浴場で中学生3人溺れる
海では夏のレジャーシーズンも本格化する中、水難事故も起きてしまいました。
報告・仁科健吾アナウンサー(5日)
「午後3時半すぎ、こちらの海水浴場で、ライフセーバーから『溺れている人がいる』と119番通報がありました」
目撃した人
「レスキューの人が(海に)行って、救助活動が始まって、心肺蘇生をやっているのをみて、みんな騒ぎ出した。波の高さは普段よりは波があるかなって感じ」
神奈川県藤沢市の片瀬東浜海水浴場で溺れたのは、遊泳区域内を泳いでいた男子中学生3人です。ライフセーバーに救助され、1人が心肺停止の状態で病院に搬送されました。2人は意識があり、「足がつかなかった」と話しているといいます。
■異例酷暑でビーチに大きな変化
一方、5日に海開きを迎えた、神奈川県茅ケ崎市の海水浴場では…
報告・仁科健吾アナウンサー
「海からの風があるんですが、蒸し暑くも感じますね」
午前9時には、すでに30℃。サーモカメラでみてみると、砂浜の温度は50℃を超えていました。こうした酷暑から、この海水浴場では今年から大きな変更を決断。海の家の閉店時間を3時間延ばして、午後8時までとしました。
海の家「茅ケ崎島人」オーナー
「日中は(暑くて)来たくない時間帯でもあるので(利用客が)夕方まで遅くまでいられるように」
さらに今年から、土日祝日はライフセーバーの数を2倍にしました。近年、熱中症になる人が増え、監視の目を増やしたいことも理由の一つだといいます。特に警戒が必要なのが、テント内での熱中症です。
ライフセーバー
甚内優那さん
「テントの中でも、風などがなかったら、あまり熱が抜けないので危ない」
熱中症リスクの指標となる「暑さ指数」をテントの中で測ってみると…
報告・仁科健吾アナウンサー
「暑さ指数31と表示されています」
わずか5分ほどで「危険レベル」に。砂浜よりも高い数値がでました。実際に、パラソルの下や砂浜よりも、テントの中の方が「暑さ指数」が高かったという実験データもあり、日本ライフセービング協会はこのデータを引用して、注意を呼び掛けています。
■山頂に外国人殺到
気温差で苦戦
一方、富士山では、気温差に悪戦苦闘する人たちが見られました。
報告・手塚慶二朗ディレクター(富士山8合目)
「現在午前1時半過ぎです。たくさんの方が山頂へ向け準備をしています」
サタデーステーションは、山開き後初めての週末を迎えた富士山の頂を目指しました。
手塚慶二朗ディレクター
「風が強くなってきてかなり寒くなってきましたね。肌が見えている部分が冷たくなってきています」
それでも、中には短パンの外国人も。
「Not cold」
日の出まで、あと1時間。目の前も後ろも、奥までずっと列を作り、ようやく山頂に到着すると、凍えそうな人で溢れていました。防災グッズとしても使われている体を温めるためのアルミブランケットにくるまる人もいます。
外国人登山者
「とても寒いです」「寒い」
京都から来た登山者
「めっちゃ寒いです。助けてください」
5日、日の出ごろの山頂の気温は5.5℃。そうした中見えたご来光は雲で隠れていましたが、壮大な雲海を見ることができました。
カナダから来た登山者
「残念ながら少し雲が多いですがそれでもきれいです。とてもきれいです」
人気が増している富士山ですが外国人による救助要請も度々あります。
昨日もアメリカ国籍の67歳の男性がまだ山開きしていない静岡側の富士宮口、新7合目で救助される事案がありました。そもそもテントの設営が禁止されていますが、男性はテントに宿泊。テントの中からカタコトの日本語で「助けて」という声がするのを別の登山者が聞き、消防に通報しました。
男性は、登山靴ではなく、サンダルを履いて山を登っていたと言います。救助要請に繋がる事態を防ぐ為に吉田口5合目では…
台湾から来た登山者
「私たちには今日しか時間がないんです」
台湾からやってきた登山者が呼び止められました。足元はサンダル。山小屋の予約も取っておらず、ゲートを通行できるギリギリの時間にやってきました。
富士山ひはらし
井出雄貴取締役専務
「無計画な登山は危ないということを本人たちと話をして」
結局、台湾からやってきた登山者は5合目の山小屋に宿泊することに。富士山では今年から登山者に対し規制を強化。無計画な登山者には注意を呼び掛けています。