国道3号沿い、新宮町。車を走らせていると、「ANTIQUES」の大きなネオンサインを掲げた倉庫が、ふいに目に飛び込んでくる。
扉を開けた瞬間、ふっと遠くへ来たような心地になる。
ゆるやかな曲線を描く木の椅子。少しくすんだ色合いのグラス。壁に立てかけられた、大きな鏡。
ここは、アメリカから届いたヴィンテージの家具や雑貨が並ぶ店『glow(グロウ)』だ。
■「難しそう」は、思い込みかもしれない
ヴィンテージやアンティークと聞くと、少し身構えてしまう人もいるかもしれない。
値段が高そう、知識がないと選べなさそう、部屋に合わなさそう――。
けれど、店内を案内してくれたスタッフの古家さんは、こともなげに言う。
「最初は、実用的なものがいいと思います。ライトとか、テーブルとか、椅子とか、グラスとか」。
日常のなかで、ふつうに使えるもの。それがいちばん、手に取りやすい。
「ひとつ部屋に置くだけで、雰囲気ががらっと変わるんです。気分がちょっと上がる、みたいな」。
その"ちょっと"が、入り口になる。
■ここにしかない、たったひとつ
店に並ぶモノは、基本的にすべて一点もの。
オーナーが自らアメリカへ渡り、現地のショップを巡って一つひとつ選び抜いてきたものだ。
だから、同じものは二つとない。「これ、いいな」と思ったとき、それは本当に"その一つ"との出会いになる。
古家さんが、ホーロー製の古い体重計を指す。浮かんだ錆、塗装のかすれ、細やかな凹凸。
「使われてきたからこその、風合いなんです」。
きれいに磨き上げてしまわない。修理はするけれど、時間が刻んだその表情は、あえて残す。
新品にはない、やわらかな存在感。それが『glow』の流儀だ。
■見ているだけで、たのしい
品揃えは、家具だけにとどまらない。アメリカのバーで使われていた装飾的な鏡、店の看板だった立体文字、深い色合いの木箱、レコードを収めていた棚。かと思えば、釣り道具や工具箱まで並んでいて、その振れ幅に思わず笑ってしまう。
「日本にいたら、絶対に巡り合わないものばかりですよ」。
一つひとつをのぞき込みながら歩いていると、時間はあっという間に過ぎる。実際、長居するお客さんは多いのだそう。
「一度帰って、やっぱり欲しいって戻ってこられる方もいらっしゃいます」。
あれもいい、これもいい、でもどうしよう――そうやって迷っている時間そのものが、たぶんこの店のいちばんの楽しみ方だ。
■「好きじゃないと、できない」
この店の原点は、オーナーの少年時代までさかのぼる。
「中学生の頃から、アメリカの音楽や洋服が好きで」。
惹かれるままに集めはじめ、やがて海を越え、自分の足で現地を巡るようになった。
今も買い付けはオーナーがひとりで渡米して行い、輸入から修理、販売まで、すべて自分たちの手で。
「好きじゃないと、できないですね」。
40フィートのコンテナいっぱいに詰め込まれた"アメリカ"が、定期的にこの倉庫へ届く。
古家さんは荷解きの日は、いつも少しそわそわするのだという。
「開ける時は、いつもワクワクしますね。発見したとき、掘り出したときの、あの感動。それを誰かに伝えたい」――古家さんは、そう言って笑った。
日本にいながら、遠い街の倉庫に迷い込んだような時間。まだ名前も知らない"わたしだけの一点"が、この倉庫のどこかで待っているかもしれない。
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■『glow(グロウ)』
住所:福岡県糟屋郡新宮町原上1711
電話:092-410-7067
営業時間:12:00〜19:00/土日祝日11:00〜19:00
定休日:金曜
Instagram:@glow_antiques
https://www.instagram.com/glow_antiques/
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※情報は2026年7月時点の取材内容をもとにしています。最新情報は公式Instagram等でご確認ください。
■ glow(グロウ)
住所:福岡県糟屋郡新宮町原上1711
Instagram:@glow_antiques
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