【週末おでかけ】山間まで海外客もわざわざ足を運ぶ!グルメ通必食!フォークとナイフで食べたい“ごちそうハンバーガー”『バーガートウカ』(福岡・篠栗町)【まち歩き】

福岡市内から車で約1時間。篠栗町の山あいを走り、観音公園のなかへと続く坂道を登ると、一軒家のような佇まいの店が姿を現す。

ここは『バーガートウカ』。車でしかたどり着けない場所にありながら、福岡市内はもちろん飯塚や北九州から、さらには海外からも人が集まる人気店だ。
店を切り盛りするのは、店長の古田さん。今回は、このお店ならではのこだわりと、山の中に店を構えた理由をうかがった。


■「好き」を集めた、村山さんの世界

バーガートウカを語る前に、その世界観の源泉に触れておきたい。すぐ隣には、2004年から同じ場所にある白い喫茶店「喫茶 陶花」がある。建物の設計から内装、椅子や器にいたるまで、店主・村山健吾さんが自らの「好き」を丁寧に集めて表現してきた空間だ。福岡のカフェや音楽カルチャーシーンで知られ、篠栗町の地域おこしにも関わってきた村山さんが、20余年をかけて築いてきた土台がここにある。
バーガートウカは、その延長線上にある「もう一つの好き」の結晶だ。

■街と逆を行った、山の中の一軒家

バーガートウカがあるのは、その喫茶 陶花から山手へ少し登った同じ敷地内。もともとはオーナー・村山さんの両親が営んでいた「ギャラリー陶花」だった場所で、住居兼ギャラリーだったため2階もある。両親の引退後、空いたこの建物を活かしてハンバーガー店として生まれ変わらした。
リノベーションを施した店内は、吹き抜けのある広々とした空間。一枚板の長いテーブル席やカウンター席が並び、和モダンで落ち着いた雰囲気が漂う。
この立地を選んだのには、オーナーの明確な考えがあったという。
「オーナーが始めた頃は、みんなが街へ街へと集中していた時代でした。そこであえて逆を行こう、外に出てみようと思ってこの場所に来たそうです。でも今は、みんなが外を求めて出てくるようになった。先を読んでいたのかもしれませんね」。
日常のなかでカフェや自然に触れる機会が減っているからこそ、わざわざ足を運びたくなる。山あいの静けさそのものが、この店の魅力になっている。

■フォークとナイフで味わう「レストラン・バーガー」

バーガートウカのスタイルを象徴するのが、木のプレートでの提供だ。

バーガーにサラダ、ショートパスタ、カットフルーツが美しく盛りつけられ、レタスやトマトは別添えで出てくる。

今回注文したのは「アボカドチーズバーガー」(税込2,065円)。バンズの上にとろりとアボカドがのり、見た目にも食欲をそそる一皿だった。

このスタイルの原点は、オーナーが東京で受けた衝撃にあるという。知人に連れて行ってもらった東京のハンバーガー店で、フォークとナイフで食べる一皿に出会い、「いつか自分もハンバーガーを作りたい」と何年も食べ歩きを重ねてきた。その想いが、この一皿に結実している。

食べ方は好みでいい。フォークとナイフで優雅に楽しむのもいいし、別添えの野菜をバンズにのせて、蓋をしてかぶりつくのもおすすめだ。

「基本的には、レタスやトマト、クリームチーズを上にのせて挟んで召し上がっていただくのがおすすめです。ちょっと大きいんですけど、そこがまたいいんですよ」。

ハンバーガーは全15種類ほど。トッピングも自由に選べて、自分好みの一皿を組み立てられる。お客さんの層は驚くほど幅広く、若い人から年配の方まで、男女問わず。意外なボリュームがありながら、「ご年配の方も残さず召し上がってくださる」というから、その満足感は本物だ。


■素材が主役。福岡のつくり手をつないだ一皿

いただいたハンバーガーは、これまでのハンバーガーとは一線を画す味わいだった。その秘密は、オープン当初からオーナー自らが組み上げてきたメニューと、福岡各地のつくり手とのネットワークにある。

・バンズ──南区のパン屋「うーぱんベーカリー」さんにレシピを依頼し、そのレシピを地元・篠栗の「パンサク」さんが焼き上げる。パンサクさんはオーナーの後輩にあたる。
・パティ──篠栗の「さつま精肉店」さんの黒毛和牛100%。つなぎを一切使わず、毎朝仕込む。
・塩──糸島の「またいちの塩」。

「一つ一つの素材の味が感じられるように、というのがオーナーの考えです」と古田さん。実際に頬張ると、まず肉そのものの旨みが立ち上がり、塩がその味をきりっと引き締める。「食べたことのないハンバーガーの感覚」というのが、率直な感想だ。
サラダにはローストしたクミンシードが添えられ、香ばしい香りが食欲をそそる。細部にまで、素材を楽しんでもらうための工夫が行き届いている。

■山の店に、人が集まる理由

ここを訪れる人は福岡市内からが最も多く、飯塚や北九州をはじめ、海外からも足を運ぶ。

近くには紅葉が美しい吞山観音寺があり、南蔵院では紫陽花まつりも開かれる。そうしたスポットと合わせて訪れる人も多く、南蔵院を目当てに来るアジアやヨーロッパからの旅行者が立ち寄ることも増えているという。若い人がドライブで自然豊かな土地を目指してやってくる姿も、今では珍しくない。

2階には、セレクトショップ「トウカノニカイ」も併設。オーナーのネットワークと感性で選び抜かれたアイテムが並び、靴職人や作家を招いた企画・ポップアップも行われる。バーガーができあがるまでの時間、ここを覗いてみるのも楽しい。
ちなみに、地域の造り手との縁もこの店ならでは。人と人とのつながりが、そのまま一皿、一杯の中に溶け込んでいる。

■受け継いでいくということ

入社4年目、店ができて半分ほど経った頃に加わった古田さん。
もともとは陶芸家の知人の紹介でオーナーと出会い、社会人一年目からこの店に立ってきた。通勤に1時間かけて通う道のりも、「あっという間」だという。

「自然が好きなんです。雨の日もすごくいい。お客さんとの距離も近くて、やりがいを感じています」。

今後については、力強くこう語ってくれた。

「自分がどうこうというより、オーナーが大切にしている形を、自分も同じように受け継いでいけたらいいなと思っています。それをお客さんに伝えていけたら、一番いいですね」。

この受け継ぐ姿勢は、オーナー・村山さんの想いとも静かに響き合っている。

喫茶 陶花を立ち上げてから20余年。以前のジモタイムズの取材で村山さんは、こう語っていた。

「まだまだ自分が店に立ちますけどね。でも、いつまでも同じやり方じゃ続けられないとも感じていて。今は、少しずつ役割を分けていくことを意識しています」。

それは店じまいの話ではなく、次の人や新しい視点が自然と加わっていく“分かち合い”の始まり。

「好きなことは今も変わらず楽しい」と笑う村山さんの言葉どおり、これまでとこれからが自然に交差していく。

古田さんの姿は、その静かなバトンが確かに渡されつつあることを感じさせてくれる。

山あいの静けさに包まれた場所で、素材と人のつながりを一皿にのせて届けるバーガートウカ。
自分で見つけて、会いに行く。その体験ごと味わいたい店だ。

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■『バーガートウカ』
住所:福岡県糟屋郡篠栗町金出3280(観音公園内)
電話:092-948-4940
営業時間:11:00〜16:00(OS15:00)
定休日:金曜(不定休あり)
駐車場:あり(店舗前2台・第二駐車場あり)
Instagram:@to_ka_sasaguri
https://www.instagram.com/to_ka_sasaguri/
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■ バーガートウカ

住所:福岡県糟屋郡篠栗町金出3280(観音公園内)
電話番号:092-948-4940
Instagram:@to_ka_sasaguri

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