魚の取れすぎで転覆か? 船長語る“イワシ漁の変化”
社会|
01/06 18:55
茨城県鹿島港の沖合で漁船が転覆して2人が死亡、3人が行方不明になっています。穏やかな海でなぜ漁船は転覆したのか。そこには「イワシ」が関係しているようです。
■穏やかな海で…なぜ事故が
転覆した船のものと思われる油が帯状に広がっているのが確認できます。
日本人とインドネシア人、合わせて20人が乗っていた漁船が転覆。その後、沈没したとみられます。
118番通報が入ったのは6日午前2時すぎです。
救助にあたった船の漁労長
大熊和也さん
「無線で『助けて下さい、緊急で人が海に投げ出されちゃったので』『船が沈んじゃったので救助をお願いできますか』と言われた。周りにいる人たちはすぐに救助に向かって人を助けた」
転覆した漁船は、北茨城市の大津漁協所属の「第八大濱丸」です。現場は、茨城県の鹿島港から東へおよそ30キロの海上。
乗組員20人のうち17人が救助されましたが、50代と60代の日本人男性2人の死亡が確認されました。日本人3人が行方不明です。
大津漁業協同組合
坂本善則専務理事
「1回操業して2回目の操業の時にこのような事故になった。ベテランが多く優秀な漁労長なので、操船のミスは考えにくい」
事故当時、鹿嶋市の風速は1メートルで、強風注意報や波浪注意報は発表されていませんでした。
同じ時に海に出ていた別の漁船の船長は…。
不動丸五号艇
中村博昭船長
「私たちからすると穏やかな部類の海」
「(Q.漁に影響は?)影響はない」
■魚の取れすぎで転覆か?
穏やかな海で、なぜ漁船は転覆したのでしょうか。
船の乗組員は「網に魚が多く入っていてバランスを崩した」と話しているといいます。
転覆した漁船は、巻き網でイワシ漁をしていました。
去年は黒潮の大蛇行の影響もあり、銚子沖では梅雨の時期に取れる「入梅イワシ」が不漁でしたが…。
新年になり、5日に始まったイワシ漁では変化が。
第六十二石田丸
福島次郎船長
「事故があった海域にイワシの群れが集中した。イワシの密度が濃くなることがある。そういう群れを巻くとバーッと予想外に入る時もある」
イワシが取れすぎたことで漁船が転覆することはあるのでしょうか。
不動丸五号艇
中村博昭船長
「少々の傾きはある。水温が低い時に小さい魚は逃げようと潜る。(イワシが)網を押すと網が引っ張られて船体が傾く」
国交省や海上保安庁が転覆の原因について調査しています。