大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その7
番組で紹介した情報
2024年12月18日
(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
(百市)今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その7」を お送りします。
(太田)令和2年(2020年)7月に大規模な浸水被害に襲われた大牟田市
最大で1.9mの浸水被害が発生した樋口町周辺では床上浸水681世帯、床下浸水312世帯を数え、1人の尊いいのちが失われました発生当時も現在も災害対応の陣頭指揮にあたる大牟田市の栗原敬幸防災危機管理室長にお話しを伺います。
今週は先週に引き続き栗原さんに、大牟田市で行われている小中学生への防災授業についてお話を伺います。どのような思いで栗原さんは防災授業を行っているのでしょうか。
(太田)実際にやってみて、子供たちの反応というのはどうですか?
(栗原)まず避難することが大事っていうふうなことは分かってもらったかな。
で、中学生ですから、場合によっては運営側のお手伝いもしてもらわなきゃいけない時もあるかもしれないですね。その時に、自分たちが何か役に立つことがあればやりたいなっていうような気持ちもやっぱり芽生えてあったみたいなので、子供たちがその経験をもとに自宅に帰ってですね、お家の方、保護者の方たちと話し合いをして、避難所ってこんなところみたいだよみたいなことでも少しでも話題が出れば、もし避難する時に実体験として子供たちありますし、その情報を大人も聞いてますから少しでも避難するハードルがそれで下がれば成功かなという風に私は思います。
(太田)防災教育に関して、中学校、小学校で行っていて、中学校に関しては中学生っていうのはやはり今のこう自治体の状況を見ると防災の担い手っていうところもありますよね。
(栗原)そうですね。明確に役割を持たせるというわけにもいかないんですけど、体力もどんどん上がっていく年頃ですし、体も大きくなっていく年頃なので、自分ができる範囲で防災をなんだか取り組んでいただけたらすごく助かるなとは思います。
(太田)そして、義務教育の段階での1つのカリキュラムにこの防災を取り入れる意味っていうのは、栗原さんはどういう風に考えていますか?
(栗原)最終的にいつも話をするのは、命を守ることが一番大切っていうことの前提で、「傍観者になるな」っていう風にいつも言っています。正常性のバイアス、同調性のバイアスとか、凍り付き症候群とか言うのですけど、特に正常性のバイアスっていうのは大人も陥りやすいのでなかなか難しいとこあるんですけど 、同調性のバイアスって言って、誰かが動くまでなかなか動かないっていう傍観者的なことにはなるな。
「あなたの避難しようっていう大きな声が周りの人たちを救うことになるんだから、傍観者になるのではなくて危ないって思ったら声を上げなさい」っていう話をするのですけどそれがちゃんと通じてるかどうかはあるんですが、まあそういう風な命を守って、自分から積極的に動けるように成長してもらえたらなということで学習を進めています。
(百市)同調性のバイアスという言葉、誰かが動くまでなかなか動かない傍観者的なことになるなという栗原さんのメッセージは、防災に限らずすごく大きな意味をもっているなと思っていて、例えば選挙ひとつとっても投票率が低い、誰かにまかせている今の日本というのがあると思います。防災ではないかもしれません。
でも結局、防災でこの意識付けができた時には、もっと広い範囲で子供たちの成長、自主性につながるのではないかとすごく大きな意味を感じました。
(太田)実際に災害が発生したときにパッと動くためには、事前に1回経験しておく、していないだと全然違いますよね。そういう意味では、この大牟田市の取り組みは子供たちに貴重な経験を与えているなと改めて思いますよね。
(百市)KBCラジオ「みんなで防災」 今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その7」を お送りしました。 次回の放送は1月8日です。
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