サボテンハウスの昆虫博士「たくさんの人を驚かせたい」~ふるさとWish大任町~
福岡県北部に位置する大任町。「花としじみの里」と呼ばれるこの町の“有名人”について、現地で話を聞いてみると―「渡邉さんでしょ?」「町にとって必要な人です」「面白いおじさん。町のためにいろんなことをしてくれる人なんですよ」と、町民から絶大な信頼と親しみを集めているよう。わたなべさん、一体、どんな人なのでしょう?
「面白いおじさん」は昆虫博士?!
ウワサの渡邉髙久さん。ご自宅に伺い、「自慢のコレクション」を見て納得!壁一面に作られたコレクション棚に、色鮮やかな昆虫たちの標本が美しく整列しているのです。「これはモルフォチョウという南米特有の蝶です。これはインドネシアのコノハムシ」と、とめどなく紹介してくれる渡邉さん。これらはすべて、50年以上かけて世界中を回り、集めたものだといいます。
もともと医療関係の仕事をしていた渡邉さんは、仕事の合間を縫って、世界各地へ足を運んだといいます。「結婚前はご両親にお金を借りてまで行っていたようです。そのお金は結局、返さないままみたいで」と笑う妻の千春さん。新婚旅行も昆虫採集メインでタイへ行ったというので“妻公認”かと思いきや、「二度と出会いたくない。あの世でも探さないでって言ってます」と厳しいお言葉。しかし、2人でにこにこ昆虫を眺める様子から、仲の良さが伺えます。
西日本最大級のサボテンハウスの管理人へ
そんな渡邉さんがもう一つ夢中になっているのは、サボテン。ガラス張りのちょっと変わった形をした「サボテンハウス」には、貴重な多肉植物が120種500点以上、展示・栽培されており、その規模は西日本最大級を誇ります。「これはメキシコ産の金鯱、これはテキーラの原料にもなる吉祥天。これなんか、南アフリカ産のユーフォルビアという珍しい種類です。傷をつけると毒がにじみ出てきて、手に付くとかぶれるし、目に入ると失明するといわれています」と、希少種について解説してくれる渡邉さん。昆虫愛もさることながら、サボテン愛も止まらないようです。
「サボテンハウス」は、もともと町在住のサボテン愛好家がコレクションしたものを町に寄贈したのをきっかけに、2000年に建てられたもの。以来、20年ほどかけて渡邉さんが育てたところ数や種類が倍増し、現在の規模になりました。来場者は「もっとサボテンのことを知りたくなった!」「こんなにすごいとは思わなかった」と、一様に驚きを隠せません。
日本には自生しない植物の手入れを続けるのは大変では?「正直、やめたい」とつぶやきながらも、渡邉さんは笑っています。「(オープン当初よりも)すごく良くなったと言ってもらえるのがやりがい。来た人の“感動”こそが私の原動力です」と渡邉さんは話します。「わぁ大きい!わぁ~キレイ!とたくさんの人をビックリさせたいですね。大任町にはサボテンハウスがあるよと言われるくらい、魅力あるスポットにしたいと思っています」
「サボテンハウス」には、巨大種、希少種、珍種などさまざまな多肉植物があり、5月上旬には幻想的で美しいサボテンの花も咲くそう!「サボテンの花は2日間しかもたないので、見られる人は幸運ですよ」とのこと。日本とは思えない、異国情緒に満ちた光景も魅力の「サボテンハウス」へぜひ、一度、足を運んでみてください。
サボテンハウス
福岡県田川郡大任町今任原1666
TEL:0947-63-3110
営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
料金:入館無料
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)
※この記事は2019年の情報です(「シリタカ!」12月18日放送)。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。