致死率27%“マダニ感染症” クマがウイルス“運び役”に?
社会|
07/03 18:43
致死率が27%にも上る、マダニが媒介する感染症「SFTS」の患者数が過去最多ペースとなっています。その背景として指摘されているのが「クマ」です。なぜなのでしょうか。
■致死率27%“マダニ感染症”
マダニにかまれた人
「首の辺りを何気なく触ったときに“豆みたいなもの”が付いているのに気が付いて、(妻に)『マダニだ』と言われて初めて気が付いた」
先日、自宅の庭でマダニにかまれたという男性。数日後には…。
「(数日後)熱が上がってきて、“これはまずい”と思って夜中に病院に行った」
なぜ焦ったのか。脳裏に“ある感染症”が浮かんだからです。
マダニにかまれた人
「『SFTS』という感染症は致死率が高いと知っていて、怖かった」
致死率20%超えの“マダニ感染症”。ウイルスを運んでくるのは、意外な存在でした。
ダニ学者
国立環境研究所
五箇公一特命研究員
「『SFTS』という感染症は、2013年に日本で初めて感染例が出て、毎年感染者数が増え続けている」
「SFTS」=重症熱性血小板減少症候群。これは、ウイルスを持つマダニにかまれて起きる感染症です。
感染すると、6日~2週間程度の潜伏期間を経て、発熱や倦怠(けんたい)感、吐き気や腹痛などの症状が出るといいます。
気になるのは、その致死率。国立健康危機管理研究機構によると、感染者の約4人に1人、27%が亡くなっているそうです。
五箇公一特命研究員
「年齢別で見ると、高齢者。体力がなくて(感染して)高熱で亡くなるケースが増えている」
感染者数は増加傾向にあり、今年は先月21日時点で83人。過去最多となった去年を上回るペースです。
■クマがウイルス“運び役”に?
なぜ増えているのでしょうか。
五箇公一特命研究員
「マダニ増加の背景には野生動物。シカ、イノシシ、クマなどの動物が山林から平野部に下りてきている」
社会問題化している、野生動物の市街地出没。全国各地でクマによる被害が相次いでいるほか…。
6月、京都府内の寺に現れ、アジサイを食べていたのは「シカ」。野生のシカも各地で目撃されています。さらに近年、イノシシによる被害も後を絶ちません。
こうした野生動物の出没が増えることと、SFTSの感染者が増加することに、どのような関係があるのでしょうか。
専門家が指摘するのは、野生動物が“運び役”になっている可能性です。
五箇公一特命研究員
「(マダニは)普通は山の中で野生動物の血を吸って生きている。リレー方式で山の中から動物がマダニを連れてくる」
ウイルスを持ったマダニは本来、山や林の中にいるそうですが、野生動物がマダニを連れて人里に下りてきている恐れがあるといいます。
さらにそのマダニを、市街地での目撃や被害が急増している、アライグマ、ハクビシン、タイワンリスなどの外来生物が、私たちの身近にまで広げているそうです。
五箇公一特命研究員
「野生動物が頻繁に人里に出没するようになっているので、恐らく今後マダニの“持ち込み頻度”は上がっていく。(今後)感染者数も増えるだろう」
では、私たちにできる対策は…。
五箇公一特命研究員
「予防としては、これから暑くなって肌の露出が多くなるので、虫よけスプレーを使ってマダニを近付けないようにする」







