“男社会”海上保安大学校 伝統の校歌が変更のワケ
社会|
04/19 12:26
海上保安庁の幹部を育てる学校で、校歌の歌詞が初めて変更されました。背景には時代に合わせて伝統を変えなければいけない理由がありました。
海上保安大学校の入学式。将来の幹部候補生ら167人が歌った、この校歌に実はある変化が。
幹部候補生ら
「海を護らむ若人が」
ここで使われている「若人」という歌詞、以前は別の言葉でした。
会場保安大学校(2022年)
「海を護らむますらをが」
変更された「ますらを」という言葉。調べてみると…「強く勇ましい男」といった意味を持っています。これが、今の時代にそぐわないと指摘があったそうです。
海上保安庁
総務部教育訓練管理官付
石橋克己さん
「もう男子だけの学校でなくなってきているという現状がございまして、まさにその指摘も踏まえて改正するに至りました」
校歌が作られた1956年には男性しかいませんでしたが、今では全体のおよそ30%を女性が占めています。
そのため校歌以外にも変化が。
部屋は女性職員からの声を受けて様々な配慮がされています。
海上保安庁
装備技術部船舶課
川森有紗さん
「(棚には)生理用品なども置いておけるので、それぞれ自分のものを好きなように置けるのが良い点だと思います」
現場の船では「女性諸室」が新設され、プライベート空間が確保されています。
一方、同じくこれまで“男社会”だった防衛大学校の卒業式を見てみると。
防衛大学校の卒業式(先月)
「丈夫(ますらお)は呼び交ひ集ひ」
「ますらお」という歌詞が使われていました。ただ、担当者に取材したところ「時代の動きにあわせ、様々な検討をしている」ということです。
校歌の変更について海上保安大学校の入学生は…。
海上保安大学校
新入生
秋元美知瑠さん
「海上保安官は男性社会になってしまいますが、女性の活躍が光り輝くような歌詞の意味も『若人』に含まれていると思うので、歌詞の変更につきましてはとてもうれしく思います」