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石破総理 急転直下の辞任表明 三者会談の舞台裏とは?“ポスト石破”動きも

政治

09/08 14:17


 石破茂総理大臣の辞任決断の大きなカギとなったのが、表明の前日に行われた菅義偉元総理、小泉進次郎農水大臣による三者会談でした。 ■急転直下の辞任表明
 石破総理を乗せた車が7日午後4時55分に官邸の前に到着しました。記者の呼び掛けに笑顔で手を挙げた石破総理。それからおよそ1時間後、眼鏡を掛け神妙な面持ちで会見に臨みました。 「この度、私は自由民主党総裁の職を辞することといたしました。新総裁を選ぶ手続きを開始していただきたい。このように考えております。国民の皆様方にはこのような形で職を辞することになったこと、大変申し訳なく思っております。本当に申し訳ございません」 ■前夜の三者会談
 決断の舞台裏
 辞任の理由について石破総理はこのように話しました。 「米国関税措置に関する交渉に一つの区切りが付いた今こそが、しかるべきタイミングであると考え、後進に道を譲る決断をいたしました」
 日米の関税協議を巡っては5日、トランプ大統領が焦点だった自動車関税を引き下げる大統領令に署名。 「昨日帰国した赤沢大臣から直接報告を受け、私としても一つの区切りが付いたと感じることができました」
 石破総理はアメリカとの関税交渉に区切りが付いたことなどが、このタイミングとなった理由だと強調しました。
 しかし、記者からは辞任表明のきっかけについてこんな質問がありました。 「きのうの夜、菅元総理・小泉農水大臣と公邸に入られて内容としては、この8日を前に進退の判断を求める説得をされたというふうに聞いています」
 6日午後8時半ごろ、総理公邸に小泉農水大臣と菅元総理を乗せたとみられる車が入りました。そのおよそ30分後、まず公邸から出てきたのは菅元総理。その1時間半後に小泉農水大臣を乗せた車が公邸から出てきました。
 石破総理は小泉大臣・菅元総理と30分間会談。そして、菅元総理が帰った後も小泉大臣と1時間半にわたり会談しました。
 関係者によると、小泉大臣と菅元総理は石破総理に対し8日に行われる予定だった総裁選前倒しの署名提出の前に、進退について自ら判断するよう説得したといいます。 小泉農水大臣 「党を割ってはいけない」 記者 「これはどれほど影響があったのか。もし影響があったとすればどのようなことが具体的に響いたか教えてください」 石破総理 「菅副総裁、小泉農水大臣との会話の内容はここでお話をすべきことだとは思っておりません。政治家同士の話をペラペラしゃべる私はそういうことは断じて致しません。しかし、菅副総裁から党の亀裂は避けるべきであると、党の分断ということはあってはならないということは、歴代総理総裁経験者の皆さま方とお話をした時から非常に強く菅副総裁がおっしゃっていたところでございます。多くの方々からご意見を承るなかにあって、私どもの政権というのは、菅元総理の色々なお知恵、お力によるところが大きかったというふうに考えております。小泉農水大臣は、そこで多くを発言されたわけではございません。ただ私も小泉さんが初当選した当時、政調会長でしたが政調会長、幹事長、地方創生大臣を務めていくうえにおいて、あるいは内閣総理大臣と農水大臣という関係において、色々な議論を戦わせてまいりました。そこにおいて、もちろん彼がきのう積極的に発言したわけではありませんが、色々な発言は示唆もあったということに尽きます」 ■「政治空白」指摘に「土日返上」
 しかし、参院選大敗から1カ月以上すぎてからの辞任表明に記者からは…。 石破総理 「(Q.政治が止まったことでむしろ政治空白が生まれてしまったというお考えは総理の中であるでしょうか?)政治空白というものは絶対にあってはならないという思いで、ある意味、不眠不休で土日返上で当然のことです。全力で皆さん方と共に努力をしてきたということについての自負はございます。足らざるところ多々あったでしょう。いかなるご叱声(しっせい)もそれは甘んじて受け入れるものでございます」
 政治空白について反論した石破総理。一方で無念さをにじませました。 「政治とカネの問題をはじめ、国民の皆さま方の政治に対する不信を払拭することは、いまだにできておりません。このことが私にとって最大の心残りであります。わが自由民主党はけじめをつけなければなりません。私としてはまだやり遂げなければならないことがあるという思いもあるなか、身を引くという苦渋の決断をいたしました。それは党内の決定的な分断を生みかねないと考えたからであり、それは決して私の本意とするところではございません」
 次期総裁選については…。 「(Q.総理は新総裁選には出馬しない?)総裁選には出馬いたしません。それは申し上げておきます」 ■“辞めるなデモ”石破構文“自分の言葉”に自負
 日に日に自民党内で高まっていった“石破おろし”の声。しかし、参院選大敗後に起きた現象が…。 「石破は辞めるな!石破は辞めるな!」 「石破は頑張れ!石破は頑張れ!」
 “石破辞めるな”デモや支持率上昇について聞かれると…。 「党内でいろんな争いをするよりも『きちんと仕事をしてくれ』『国家・国民に対して仕事をしてくれ』という強い意思の表れではなかったかと思います。『石破辞めるな』というような色んな動きもございました。ありがたいことでございました。それは私自身どうしたら自分の言葉で語ることができるか、どうしたら人に分かってもらえるか、これは石破構文なぞと揶揄(やゆ)されましたが、どうか分かってくださいということ。そのことに努めたことが、ご評価をいただいたのかもしれません」
 石破総理の辞任表明に街の人は…。 医師(70代) 「遅かったと思う。自分の言っていることと今やっていることが真逆だと思う」 会社員(40代) 「今取り掛かっている関税とかあるので、それをやると言っていたので結局辞めちゃうのかと。やりきっていただきたかった」
 およそ50分間にわたって行われた辞任表明会見。 司会 「会見を終了いたします」 記者 「フリーの(記者の)質問にも答えてください」 司会 「挙手頂いていらっしゃる方には、ご質問を書面で頂ければと思っております」 記者 「どうですか?総理」 石破総理 「これは司会にお任せしています。私の判断ではございません。ありがとうございました」
 最後は司会に打ち切られる形で終了しました。 ■“ポスト石破”動きも
 石破総理が辞任を表明した直後、自民党内からは…。 森山裕幹事長 「幹事長として総裁を支えきることができなかったことを大変申し訳なく思います」 「(Q.7月の参院選の後に石破総理の進退や総裁選の是非を巡って党が二分。幹事長としてどのようにご覧になっていた?)私は党内議論は活発であるべきだと基本的に思っています。ただ党が二分するようなことがあってはならないと思います」 小野寺五典政調会長 「やはり選挙で衆議院、参議院での自民党の敗退ということがありますので、これが責任と言われれば確かにそうかと思いますが、石破総理自身の今までの政権運営は国益のためにしっかりされてきたんだと」
 少数与党として連立を組む公明党は、次期総裁に対してこう話しました。 斉藤鉄夫代表 「困った方に手を差し伸べる、隣国をはじめ平和外交を推し進めていくこういう基本路線を議論される、そういう総裁選挙を望みたいと思っております。連立政権を組むのであれば先ほど申し上げました保守中道路線、私たちの理念にあった方でなければ当然連立政権組むわけにはいきません」
 一方、野党からは。 立憲民主党
 野田佳彦代表 「間違いなく党内抗争は長すぎたんじゃないでしょうかね。残念ながら政治文化は変わっていないんじゃないかというふうに思わざるをえませんね。総裁選のやり方、日程は自民党が決めることではありますけども、さらにまた政治空白が続くと、特に物価高対策は私は急務だと思っていますけども、それがどうなるか大変心配な状況だと」 国民民主党
 玉木雄一郎代表 「我々としては去年の年末の予算編成の際に若干我々の求めている基準には至りませんでしたけれども、30年動かなかった103万円の壁が少し動いたこと、与野党過半数割れているわけです。ですからやはり野党の意見を、また野党に託された幅広い国民の意見をしっかりと受け止めることができる、そういうリーダーを選んでいただきたいなと思います」
 辞任表明の一報にトランプ大統領は…。 記者 「日本の総理大臣が辞任を表明しましたが…」 トランプ大統領 「I don’t know (知らない)」 記者 「Ishiba(イシバ)!Ishiba(イシバ)!」
 次の総裁選に向けて、自民党内では早くも駆け引きが。去年、自民党総裁選に出馬した小林鷹之衆議院議員はこう話しました。 「今回自民党の再生にとってラストチャンスだと思っておりますので、私を含めて党所属のすべての国会議員がその認識を共有して国民のみなさんの力をお借りしながら、政策をしっかりと前に進めていく。そうしたきっかけにしなければいけないと受け止めました。ベテランも若手も、ONE自民としてONE自民としてしっかりとまとまれるような、そういう体制を作るということが急務だと私自身思っています。そうした流れのなかで党所属国会議員の一人として、自分自身に何ができるのかということにつきましては、また仲間としっかりと相談をしていきたいというふうに考えております」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月8日放送分より)

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