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【中国軍機が海自機に異常接近】海空で圧力“米中貿易協議”武器化されたレアアース

国際

06/15 23:05

中国軍による太平洋上での軍事活動が活発化している。防衛省は6月11日、海上自衛隊の哨戒機に対し、中国軍戦闘機が高度差のない状態で、約45メートルまで異常接近したと発表した。防衛省によると、接近が確認されたのは6月7日午前10時半頃から11時頃にかけての約40分間と、8日午後2時頃から3時頃にかけての約80分間。いずれも太平洋上の公海上空で警戒監視中だった海自の哨戒機「P3C」に対し、中国の空母「山東」に搭載された戦闘機「J15」が追従・接近した。「J15」は高度差のない水平方向で約45メートルの至近距離まで接近したうえ、8日には哨戒機の針路前方約900メートルを横切った行動も確認された。中国軍による異常接近は、2014年5月および6月に続いて3例目となる。 中国外務省の林剣副報道局長は6月12日、「日本の哨戒機が中国の通常の軍事活動に対して接近偵察を行うことは安全リスクの根本的な原因だ」と指摘したうえで、「中国側は日本側にこのような危険な行為をやめるよう促す」と反発した。これに対し、中谷防衛大臣は13日、「自衛隊の航空機が公海上で、他の航空機に45メートルまで接近することはない」と述べ、日本の立場について、中国政府に申し入れていることを明らかにした。 防衛省によると、中国の空母「山東」が6月7日、宮古島の南東約550キロメートルを航行し、9日の時点で、沖ノ鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)を航行していたことが確認された。同時に、もう一隻の中国初の空母「遼寧」も、日本の最東端である南鳥島沖合に展開していたことがわかった。防衛省は、中国空母が初めて第2列島線(伊豆諸島からグアムを含む海上ライン)を越えたことを確認。さらに、3隻目の最新空母「福建」も5月下旬、中国と韓国の間にある黄海の排他的経済水域(EEZ)が重なる「暫定措置水域」で航行を実施し、軍事訓練に参加していたことが韓国メディアにより報じられた。「福建」は年内にも就役し、台湾方面を管轄する東海艦隊に配備される見方が広がっている。 米中両国は6月9日と10日、ロンドンで2回目となる貿易協議を開催し、5月にスイス・ジュネーブで交わされた貿易合意を着実に履行する方針で一致した。ラトニック米商務長官は協議後、「レアアースの問題はこの枠組みの中で確実に解決されると強く期待している」と強調。これを受け、トランプ氏も11日、自身のSNSに「中国との取引は完了した」と投稿し、一定の成果をアピールした。ただし、協議の具体的な内容は明らかにされておらず、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は11日、事情に詳しい関係者の話として、中国は、主に電気自動車や風力タービン、家電製品、軍事機器の製造に使用される一部のレアアースについて、米国企業向けの輸出許可を即時に再開する見通しと伝えた。一方、米国は引き換えに、最近導入した対中輸出規制の一部を緩和し、ジェットエンジンや、プラスチック製造に用いられるエタンなどに関する規制を緩和する方針であることを、同紙は報じている。中国側はこうした輸出許可に「6カ月の制限期間」を設ける方針を示しており、再び貿易摩擦が激化した場合、「交渉の武器」として効力を維持する姿勢もにじませた。今年4月以降、中国政府がレアアースの輸出管理を強化し、5月の中国貿易統計では、レアアースの輸出が前年同月比で金額ベース48.3%、数量ベースで5.7%減少した。 中国政府が2010年7月に、レアアースの輸出枠を大幅に削減すると発表した。2カ月後には、東シナ海の尖閣諸島沖で、海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突する事件が発生。これを受けて、日本向けのレアアース輸出が滞る事態になった。日本政府はオーストラリアなどから、購入するなどの対策を講じた一方、2012年3月には米国、欧州連合(EU)と連携し、世界貿易機関(WTO)に中国を提訴、最終的に、勝訴を確定させていた。 ★ゲスト:小原凡司(笹川平和記念財団上席フェロー)、小谷哲男(明海大学教授) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)

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