海に沈む戦闘機「紫電改」 調査で“全容”明らかに 戦後80年引き揚げへ
国際|
04/26 12:43
旧日本軍の戦闘機が鹿児島県沖の海に沈んでいます。戦後80年の今年、引き揚げに向けて水中調査が行われ、詳細が明らかになりました。
鹿児島県阿久根市沖の海面にうっすらと見える機体。旧日本軍“最強”と言われた戦闘機が眠っています。
近付くと見えてくるのはエンジン。そして、翼に取り付けられた特徴的な機銃です。
「紫電改」は零戦の性能をも上回り、太平洋戦争末期、米軍機と互角に渡り合ったといいます。
引き揚げを計画している市民団体が専門家を招き、海底で調査を行いました。
映像を元にCGで全体を再現すると、まだ機体の大部分が残っていることが分かりました。
このCGを模型と比較してみます。
コックピットは原型をとどめていませんが、操縦桿(そうじゅうかん)とみられるパーツが残っていることが確認できます。
この紫電改は1945年4月、本土に襲来した19機のB29に対し、たった1機で交戦。1機を撃墜した後、海岸近くに不時着したとみられています。
搭乗していた林喜重大尉は亡くなりました。
紫電改・林大尉機を引き揚げる会
肥本英輔代表
「全くの無謀な戦いではありますが、当時の日本軍の状況では致し方ない。機体を話のきっかけにして子どもたちが見ることによって、昔こういうことがあったという話ができるようにしてほしい。一番怖いのは悲惨な現象を見ていると戦争に慣れて、感じなくなる。絶対、戦争状態に慣れてはいけない」