「耐え抜け」米国民に忍耐求める“トランプ関税” 報復に怯えるバーボン産業の悲哀
国際|
04/06 23:30
トランプ大統領が築いた「関税の壁」。この影響で世界各地の株価が暴落するなか、トランプ政権に抗議するデモが全米50州に加えイギリス、フランスなど世界1300カ所以上に広がりました。
■“反トランプ”デモ 世界各地で拡大
「トランプは出ていけ!トランプは出ていけ!」
(箕輪適記者)「集会の参加者がシュプレヒコールをしています。トランプ政権に対する抗議の声をあげています」
デモの主催団体によると、抗議活動は全米50州を中心に、世界1300カ所以上で行われました。
「カナダから手を引け、グリーンランドから手を引け」
(デモ参加者)「(トランプ氏の関税は)世界中の人々の生活に影響を与えています」
トランプ大統領の関税政策を受けて世界の株価が急落する中、フランスやドイツ、ポルトガルなどでも行われました。
(デモ参加者)「きょうアメリカの1000の都市で行われているデモに連帯を示さなければいけません」
トランプ政権の発足後、最大の規模になったといいます。
(デモ参加者)「トランプの行動でアメリカと全世界の自由が危機に瀕している」
■バーボン産業直撃 EUが報復か
実は、トランプ関税の影響は“アメリカ人の魂”だという、あのお酒にも及んでいます。
(鈴木彩加記者)「こちらの通りには、バーボンウイスキーを専門とした飲食店が立ち並んでいます。全米の9割以上のバーボンを製造するケンタッキー州では、いま相互関税の発動をめぐる緊張感が高まっています」
「乾杯!超うまい」
Q.あなたにとってバーボンとは?
(バーに来ていた客)「僕にとってバーボンとは、僕が知っているすべてさ。お酒以上の意味があるんだ。歴史であり、仕組みであり、アメリカが築きあげたすべてだ。そのはずなのに、いま損害を被っているんだ」
EU=ヨーロッパ連合は先月、トランプ関税への対抗策として、バーボンなどに50%の“報復関税”を課す方針を発表しています。
バーボンなどアメリカ産ウイスキーの最大の輸出市場であるEU。ケンタッキー州への影響は甚大です。
(バーに来ていた客)「バーボンの産業にとって不幸な状態だ。数百人どころじゃない、数千人が職を失うことになるかもしれない」
このバーの経営者は…。
(バーを経営する
サム・クルーズさん)「(報復関税で)海外のバーボン価格が上昇すると、バーボンの売り上げが落ちます。売り上げが落ちると、それほど製造する必要性もなくなる。製造量が落ちると、労働者が解雇される。彼ら(労働者)は私のバーに来なくなる。これは大きな問題です。影響は深刻なのです」
約100軒のバーボンウイスキーの蒸留所が集まるケンタッキー州。そのひとつを尋ねました。
「ここが(バーボンを)蒸留する場所です。」
(鈴木彩加記者)「甘い香りが漂っています。」
12年前に創業したビクター・ヤーブローさん。事業規模拡大のため、カナダ、そしてEUに輸出する準備を始めていましたが…
(バーボンの蒸留所を経営する
ビクター・ヤーブローさん)「カナダの会社が来月来る予定でした。しかし完全に中断しました。さらに、私たちはヨーロッパとの取引も進めてきました。しかし報復関税がどのようになるか様子を見守るしかありません」
さらに…
(ビクター・ヤーブローさん)「ここが私たちの会社の新しい蒸留所です。まだ建設中ですが来月完成予定です。」
カナダやEUへの輸出を控え、現在の蒸留所の7倍の大きさの工場を建設中でした。工場の完成が迫っているため、新たな輸出先を探さなければならないと話します。
(ビクター・ヤーブローさん)「関税が高くない国を探すか、値上げをしなければなりません。私たちはこの製品のため、懸命に取り組んできました。バーボンを望む市場にバーボンを販売したいだけなんです」
■中国が報復発表 仏で“投資停止”も
トランプ大統領の「相互関税」により世界的な貿易戦争への懸念が高まっています。
(トランプ大統領)「まずは中国だ。34%の相互関税を課す」
すでに課されている20%に34%の相互関税が上乗せされた中国は、すべてのアメリカからの商品に同率の34%の報復関税を課すと発表。
(トランプ大統領)「EUは非常に手ごわい貿易相手だ。彼らには20%を課す」
20%の相互関税を課されたEU。マクロン大統領はヨーロッパ企業にアメリカへの投資を停止するよう呼びかけました。
(マクロン大統領)「確かなのはアメリカ経済とアメリカ人は、以前より貧しくなるということだ」
■「耐え抜け」米国民に忍耐求める
ヘルメットをかぶった労働者も見守るなか、トランプ大統領は今回の関税措置で「アメリカは再び豊かになる」と強調しました。
(トランプ大統領)「雇用と工場が我が国に戻ってくるし、すでにそれは起きている。国内での生産が増えれば競争が激化し、消費者の物価は下がるだろう。これはまさにアメリカの黄金時代となる。我々は力強く復活するんだ」
しかし、貿易戦争への懸念などからニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、4日も下げが止まらず2200ドル以上急落。アジア市場やヨーロッパ市場でも株が売られ、“世界同時株安”になっています。
トランプ大統領は自身のSNSで国民に「忍耐」を求めました。
(トランプ大統領のSNS)「これは経済革命であり、われわれは勝利する。耐え抜け。簡単ではないが、最終的な結果は歴史的なものになる」
4月6日『有働Times』より