被害者語る「チケット詐欺」の手口 福岡で被害急増「マネロン対策」と称した巧妙な罠
福岡|
09/14 20:30
■「マネロン対策」と称し…22歳女性が語るチケット詐欺の手口

チケット詐欺の被害に遭ったのは福岡市に住む22歳の女性です。
今回、同じような被害に遭う人が出ないようにと、KBCテレビの取材に応じてくれました。
被害に遭ったのは8月。
仕事終わりに人気ロックバンドのライブチケットが“ダメ元”で手に入ればと思い検索したところ、多数の転売情報が見つかりました。
このうち2人に声をかけて、リセールのやり取りが始まりました。
このうち1人は、運転免許証の画像を提示してきたといいます。
“免許証”を信用した女性は、提示された「定価より安い金額」を決済アプリで支払いました。
しかし、その直後、相手から思わぬメッセージが届きました。
出品者は「マネロン対策のため、同額をもう一度送ってください」と要求したのです。
女性はこれに応じてしまいました。
■諦めきれず別の出品者にも…被害額3万5000円、ブロックされ音信不通に

2回の送金を終えると、出品者はさらに3回目の支払いを要求してきました。
女性は「もしかしたらチケットはもらえないかもしれない」と不審に思いましたが、ライブを諦めきれず、焦りから、やり取りをしていたもう1人の出品者に連絡し、要求された金額を支払いました。
すると、この出品者は女性が「もう送りました」と告げた直後、SNSをブロック。
つまり、女性は2人の出品者に騙されてしまったというわけです。
最終的に支払った金額は約3万5000円で、定価の約3倍にのぼりました。
もちろん、お金は戻ってくることはありません。
聞きたかったロックバンドのライブも聞くことはできませんでした。
女性は「だまし取って使われるのは悔しい」と心境を語ります。
■「ダフ屋」から「スマホ」へ ライブ開演後も続くSNSでのやりとり

かつてチケットの転売は、会場周辺で活動する「ダフ屋」が主流でしたが、近年はSNSや決済アプリを悪用した手口が急増しています。
8月、福岡市内のライブ会場の周辺を取材すると、ライブが開演した後も多くの人が会場の外に残り、スマートフォンで何かを探している様子が確認されました。
SNS上では、この会場のライブチケットのやりとりが続けられ、中には定価の2倍以上の価格が設定されているものもありました。
取材をした日、このライブを巡って福岡県警に詐欺被害の相談が寄せられています。
■定価の10倍以上も…購入者側にも「入場拒否」「ファンクラブ除名」のリスク

チケットの不正転売や詐欺は、音楽ライブに限りません。
演劇の舞台でも深刻な問題となっており、博多座の野中営業部長は「一部の演目によっては、転売が多い時がありまして…10倍以上のものもありますね」と明かします。
博多座では本人確認を行い、購入者ではない場合、入場拒否をしたこともあるといいます。
博多座に限らず、多くの主催者は公式サイト以外でのチケット譲渡を固く禁じていて、転売チケットで入場しようとして、その場で退場させられたり、ファンクラブから強制除名されたりする事例もあります。
チケットを買う側にも大きなリスクが伴います。
■悪質な販売元、見分け方は?専門家が語る「公式」での購入と自衛策

悪質な販売元をどう見分ければよいのでしょうか。
チケット詐欺に詳しい舛谷弁護士は、公式ルートでの購入を徹底するよう呼びかけています。
「多くは興行主のサイトに『公式リセールサイトはこちら』と開示していると思う」と指摘し、そこに掲載されていないサイトは公式ではないと判断できると説明します。
また、「怪しければ興行主に電話をかければいいと思うんです」と、直接確認することも有効な手段だとしています。
万が一被害に遭った場合、現実的にお金を取り戻すのは極めて難しく、警察に相談することが第一歩となります。
取材に応じてくれたチケット詐欺に遭った女性はこう振り返ります。
「共通点だと思ったのが『良い席』っていう…そんな良い話ないなって後から思った」
好きなアーティストのライブを聞きたいという思いに付け込んだ誘い文句-。
自身の経験が注意喚起になればと、語ってくれました。







