【会見詳報】福岡県議会の蔵内議長 高額批判の海外視察「どのホテルがいい 言っていない」「続ける考え一切変わらない」 パーティー券問題「いま思えば不適切」
福岡|
06/11 20:10

高額な海外視察や政治資金パーティーをめぐる問題が浮上している福岡県議会の藏内勇夫議長(72)が11日、記者会見を開きました。海外視察の高額批判については、ホテルや部屋は議員側の意向で決まったものではないと強調。県職員の組織ぐるみの政治資金パーティー券購入は「いま思えば不適切だった」との認識を示しました。一時浮上した「議会棟の取材制限案」については「不信感を与えた」と謝罪しました。
最大会派・自民党県議団の重鎮で「県議会のドン」とも呼ばれる蔵内氏が、一連の問題について会見するのは初めてでした。
会見の主なやりとりは以下の通りです。
蔵内氏「今般の福岡県議会での取材ルールの策定について、(取材を制限するような内容の)素案は、県民に対して知る権利を侵害する恐れがあるとの不信感を与え、誠に申し訳ありませんでした。白紙に戻し、県議会での取材ルールは各会派対応となりました」
■海外活動は「地域間外交」
--海外視察では限られた(旅行)会社と随意契約して、何倍にも増額することが常態化していました。
「契約は議会にはまったく権限がございません。議員は関与していなかったのでわたしにはわかりません。今後は指名競争入札方式に変更すると聞いています。透明性を高め、費用対効果をしっかり考えなければならない、報告にも力を入れていかなければならないと思っています」
--高額の税金を使って行くことに意味があるのかという疑念も出ています。
「海外活動の中身ですけれども、福岡県とハワイ、バンコク、ベトナム、韓国などとの交流や連携は地域間外交だと思っています。国と国とのレベルでは、例えば韓国との関係がギクシャクした時もわたしたちは交流を続け、民間レベルの人や経済の交流の努力をしてまいりました。こうした地域間の絆を結び続けることは大切で、韓国から福岡に来られる観光客が途絶えなかったことが、現在の良好な日韓関係に結びついていると考えます」
■政治資金パーティー券の問題「不適切」
--政治資金パーティーについて。議長・副議長の就任パーティーなど大勢の職員に案内を出していたことは。
「わたしは毎年自らの政治資金パーティーを久留米市で開いておりますが、これまで1度も県職員に案内を出したことはございません。正副議長の祝賀会につきましては、ご本人が政治資金パーティーの中で行なっておられることでございますので、ご本人の判断にまかせたいと思います。ただわたしは(県職員の任意団体である)部課長会に案内すべきではないと考え、そういう表明を出しております」
--これまでは不適切な状態が続いていたと。
「いま思えばそうだと思います」
--県の中間報告では、職員がパーティーに参加していた理由について、行かないことで議会との関係がうまくいかなくなるのではないかといった忖度や配慮があったと答えた職員がいました。
「忖度があったかなかったかはわかりませんが、そういう批判があることは望ましいことではありませんので、県議会側から案内を取りやめることにいたしました」
■海外視察と獣医師会の関係は
--海外視察は獣医師会(蔵内氏は世界獣医師会会長)に関する業務が盛り込まれていました。なぜ県議会の視察になっているのでしょうか。
「COVID-19の発生後、福岡県議会では感染症に対する議論が盛んになりました。それを踏まえてワンヘルス推進条例が成立しました。ワンヘルスを推進するということは福岡県議会の大きな政策。同時に獣医師会も医師会とともにワンヘルスを推進すると、こういう考えでございます」
--海外でのワンヘルスの推進活動は県民にどんな利益をもたらすのでしょうか。
「感染症は二日で世界を回ります。福岡県だけで感染症対策をやろうとしても無意味です。九州が一つになったり、朝鮮半島、中国と一緒になって感染症対策をやらなきゃならないというのはCOVID-19で実証済みだと思います」
--県議会の海外視察を私物化しているという認識は。
「感染症対策は、医師や獣医師、環境の研究者、経済界、政治が一緒になって初めて対策ができるものです。私は獣医師であると同時に福岡県議会議員。ワンヘルスを推進するという点においては、これを分けることはできません。いろんな要請を受けて海外等に出かける場合、わたしは県議として、あるいは獣医師としての経費の分担は、しっかりと事務局に指示をしています」
--海外視察の目的の一つとしてワンヘルスの推進があるということでしたが、世界獣医師会の会長になるためという目的もあったのでしょうか。
「ございません」
--会長選挙の関係者には海外視察のなかで会ったことはないと。
「はい」
■なぜ高額「どのホテルがいいとか 一切言ったことない」
--一人当たりの海外視察の費用がどうしてそこまで高額になっているのか、理由を教えてください。
「契約にタッチしていないのでよくわかりませんでしたが、物価高で飛行機代が極めて高くなる、ホテル等の宿泊費、現地における移動手段である車の借り上げ、それから通訳代、諸々の経費が高くなっております。円安もありますし、イランの紛争においてかなりの影響が出ているということがわかりました」
--ハワイにこの3年で7回ほど行かれていますが、それだけ行った成果について教えてください。
「ハワイとの交流は福岡県の海外交流の始まりです。米軍が進駐していた経緯もあり、初めて領事館が福岡に開設されました。そういった経緯の中から財界の方々、議会の先輩たちがハワイ州との交流を始められたわけです。我が国にとってアメリカは非常に大事な国で、特に福岡に領事館があるということは極めて大きな福岡県にとっての財産。そことの友好関係を図っていく。都度総領事とも話をするなかで、交流を重ねてまいりました」
--一人当たり300万円は高額すぎるのでは。
「高額だと思います。しかしハワイのこの視察は、規定内で行っておりますし、ホテルに着いて初めて部屋が提示されます。わたしたちからどのホテルがいいとか、どの部屋に入りたいとかそういったことは一切言ったこともございません」
--ハワイの1泊11万円について高いという受け止めを話されていたと思うんですけれども、宿泊された当時そういった感覚をお持ちだったのでしょうか。
「基準内のホテルであり部屋を提示されたと思っていますんで、そういったことを感じたことはございませんし、特段あの特別な部屋ではなかったと思います。一部報道でグレードの高い写真つきの報道がありますが、ああいったものではございません」
--これまで使ってきたお金は絶対に必要なものだったと思われますか。
「 高額だったから必要ではないということは考えません。それだけの効果があれば、福岡県にそれだけのメリットがあれば、すぐ効果が出なくても、将来的に福岡県の発展につながるということがあれば必要だと思います。我々がやった視察は必ず生きてくると思っております」
■「海外活動」を「海外旅行」と言い間違える場面も
--今後も海外活動を続けるということですが、県民の納得感や説明責任を果たしていくということについての考えを。
「海外視察調査訪問というものが非常に県民の方々から疑問を投げかけられています。ですから報告書の中でしっかりした活動をお伝えすることが一番大事だと思っています。わたし海外旅行は続けますと、この考え一切変わることはございません」
「すいません、海外旅行じゃなく海外活動です」
--政治資金パーティー券をめぐる問題は、県議側が大量のパーティー券の購入を依頼しなければ、部課長会のパーティー券の仕組みも生まれなかったと思います。議員側にも責任はあったのでは。
「部課長会の存在をわたしも知りませんでしたし、知事もご存じなかった。聞くと、あくまでこれは懇親あるいは相互補助の組織で、たまたま正副議長の就任祝賀会等に使われているということであって、親睦あるいは交流として部課長会が存在してたということはいいことだと思っています。ただその中でご本人の意思が明確でない中で祝賀会の費用に充てられていたことはこれはあってならんと思います。それからあくまでこれは執行側の問題だと思います。参加されようがされまいが、我々から一切とやかく言うことはございません」
■県職員の忖度「甘んじて受け取ったかなと思うところある」
--忖度について。県職員に忖度をさせる何か言動があったのか、というのはどう考えられていますか。
「そういったことは、わたしはございません。ただ忖度を甘んじて受け取ったのかなと思うところはあります。ですから今後しっかり議会改革をやっていこうと」
--振り返って、もしかしたらこういうところが忖度につながった可能性があるのではと思いあたるところは。
「具体的にございません」
--そうすると、これからどういった点を改善していくと。
「議会と執行部の付き合い方、執行部の議会に対する接し方、こういったことは過度にならないように」







