【甲子園への道 福岡】「当たり前じゃなかった」大怪我を乗り越えた主将、涙の復活。折尾愛真・岩下選手が背番号「8」に込める想いとは
高校野球
2026年07月02日

折尾愛真高校の岩下泰雅キャプテン。
1年生からレギュラーとしてチームを牽引してきた彼を襲った、野球人生初の大怪我がありました。
一度は野球ができるかという不安の淵に立たされた主将の離脱でしたが、彼自身とチームに大きな変化をもたらしました。
苦難を乗り越え、感謝の気持ちを胸に再び背番号「8」を背負う主将の、復活劇に迫ります。
■「岩下がいないとこのチームは勝てない」キャプテンを襲った悲劇

2度目の甲子園出場を目指す折尾愛真高校。
チームをまとめるのは、キャプテンの岩下泰雅選手です。
176cm 84kgの恵まれた体格で長打力が魅力。
1年生の夏からレギュラーとして活躍するチームの大黒柱です。
チームメイトからの信頼も厚く、「頼りになって、岩下がいないとこのチームは勝てない」「みんなを引っ張ってくれて頼りがいのあるかっこいいキャプテンです」と絶賛の声が上がります。
グラウンドでは頼れる主将ですが、オフには一発ギャグをするなどお茶目な一面も。
そんな彼を、今年2月、野球人生を揺るがす悲劇が襲いました。
■「この先野球ができるのか…」初めての挫折と失った背番号「8」

今年の2月、ヘッドスライディングで膝を強打し、右後十字靭帯を損傷。
全治3ヶ月の大怪我でした。
野球人生で初めて経験する長期離脱に、岩下選手は「本当に足が動かなかったから、この先野球ができるのかという不安が大きかった」と当時を振り返ります。
1年生の時から当たり前だった背番号「8」も、春の大会では手にすることができませんでした。
絶対的な主将を欠いたチームも初戦で敗退。
グラウンドに立てないもどかしさと、チームを勝利に導けない悔しさが募りました。
■「当たり前じゃなかった」怪我がもたらした感謝とチームの成長

しかし、この逆境が岩下選手とチームを大きく成長させました。
岩下選手は「野球ができることの感謝とか、自分が健康であることのありがたみが分かった。今まで当たり前にやってきたことが当たり前じゃなかった」と、感謝の気持ちを再認識します。
一方、チームメイトたちも「岩下に任せっきりなところがあった」状態から、「みんなが中心になれるチームを作っていくような雰囲気になった」と自覚が芽生えました。
岩下選手も「最近はあまり引っ張っているというより、みんなが引っ張ってくれている」と、チームの変化を実感しています。
主将の不在が、チーム全体の結束力を高めるきっかけとなったのです。
■「一番重みを感じた」背番号「8」を背負い、最後の夏へ

懸命なリハビリの末、5月に実戦復帰。
そして迎えた夏の大会メンバー発表の日、監督から「8番、岩下泰雅」と名前が呼ばれました。
再び手にした背番号「8」の背番号を監督から受け取ると、高校3年間で一番重みを感じたと話します。
仲間や野球ができることへの感謝を胸に、最後の夏に挑みます。
「自分も春の大会に出られなくてとても悔しい思いをしたから、この夏の大会にという思いはすごく強い。背番号1桁に恥じないように一生懸命プレーしたい」。
初戦の相手は、春の大会で1点差で敗れた常磐高校。
因縁の相手にリベンジを果たし、甲子園への道を切り開くことができるのか。
主将・岩下選手の最後の夏から目が離せません。

