【衝撃】福岡にはミンミンゼミがほぼいない?セミ博士と12時間の大捜索で見えた九州のセミ事情&自由研究ガイド
ぎゅっと
2025年07月29日
【「福岡ってほとんどミンミンゼミはいないんですよ」衝撃の事実】
夏休みの自由研究、テーマはもう決まりましたか?
世界初の発見をしたという長野大学 児玉建 研究員と一緒に、福岡のセミに関する驚きの調査に密着しました。
ツクツクボウシの鳴き声の複雑なパターンに隠された意味を世界で初めて発見したという児玉研究員が、KBC「ぎゅっと」の企画のために福岡へ。
知られざるセミの鳴き声の秘密に迫りました。
まずは福岡市西区にある田尻中央公園へ。
セミの鳴き声といえば「ミーンミンミンミン」というミンミンゼミをイメージしますが、実は「九州ってほとんどミンミンゼミはいないんですよ」という衝撃の事実が判明。
愛用の機材を使って鳴き声を収録すると、「ワシャワシャワシャ・・・」と鳴く大きな声のクマゼミ、そして「チリチリチリ・・・」と途切れるように鳴くニイニイゼミの声が聞かれました。
「ぎゅっと調べ」では、この公園に3種類のセミがいることが確認されました。
しかし、やはり聞きたいのはミンミンゼミの声。
【「結構レアだと思います」福岡でのミンミンゼミ捜索は難航】
ミンミンゼミの声を求めて、一行は糸島市の山間部へ。
ここだったら可能性はありそうと期待をにじませます。
九州でも山の中であれば出会える可能性はあるものの、「少なくともその福岡の中で聞いたことある人はほとんどいないんじゃないかなって思います」とのこと。
もし録れたら「結構レアだと思います」と語るほど、福岡でのミンミンゼミは貴重な存在です。
捜索は2日間にわたり、合計12時間にも及びました。
午前10時から午後2時というセミが鳴くゴールデンタイムを狙って山を回りましたが、アブラゼミの声は聞こえるものの、ミンミンゼミの声は聞こえません。
見晴らしの良い場所でも耳を澄ましますが、「ここで聞けなかったらもう危険かもですね」と児玉研究員。
結局、2日間の捜索ではミンミンゼミの声を聞くことはできませんでした。
「見たことがないんですよ、九州でミンミンゼミの姿を。うん。なのでそれくらい、自分の中では、あ、やっぱ全然いないセミだなっていう。一回見てみたいなって」
落胆の声が聞かれました。
【諦めかけたその時!大分でついに「はっきりミンミンミンって言ってます」!】
しかし、捜索翌日の7月28日、ディレクターに2日間セミ捜索に同行していたリポーターの石井裕二さんから連絡が。
「大分県宇佐市にロケに来ました。場所は山なんですよ。標高300mぐらいの森のところに来たんですが、気づきました。ミンミンゼミ、鳴いてます!」
送られてきた映像には、まさにミンミンゼミが鳴いている様子が。
「山の深い地域ではあるので、そこのそれなりに高いところとなると確かに生息してそうだなっていう。これだけはっきり撮れてればもう間違いなくミンミンゼミと言っていいと思います。」児玉研究員も「はっきりミンミンミンって言ってます」と太鼓判を押しました。
ついに収録されたミンミンゼミの声!
皆さんが福岡でミンミンゼミだと思って聞いていた声は、実はミンミンゼミではなかった可能性が高いのです。
【「自由研究にどうぞ」セミは身近で奥深い生き物】
現在日本には約30種類のセミがいるそうですが、福岡で確認されているのは13種類。
主なセミの鳴き方の一覧も紹介され、聞き分けの難しさも伺えます。
ちなみにツクツクボウシは、前半と後半で鳴き方が変わるという特徴もあるといいます。
また、今回の取材に協力したABURAYAMA FUKUOKAの土屋さんによると、8月中旬頃に局所的に鳴く個体も確認されることがあるとのこと。
「油山に行けば聞けないこともないかもしれないということですので、聞けたらすごく喜んでくださいと」と話しています。
児玉研究員は、「セミって結構身近な生き物ですけど、なかなか解明されてないことも多いらしくって、例えば何時にどういう木でどの声が聞こえたっていう調べるだけでも結構いい研究になるんじゃないか」と語っており、夏休みの自由研究にセミの観察を勧めていました。
この夏、身近なセミの奥深さに触れてみてはいかがでしょうか。
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