【期間限定】1年で10日だけ咲く“幻の花”…佐賀で生まれたコスメ 岩田屋に登場【ふるさとWish】

■なぜ佐賀で「コスメ」なのか——耕作放棄地は"お宝"だった

5月上旬、佐賀県唐津市。白く小さなみかんの花が一斉に咲きます。花の時期は1年のうちわずか10日ほど。
この短い期間に地元の人や高校生が畑に集まり、ひとつひとつ手で花を摘んでいきます。摘まれた花の行き先は、生花店ではなく——化粧品です。

佐賀県唐津市は、玄界灘に面した温暖な気候が特徴。温州みかんなど化粧品に使える自然由来原料に、昔から恵まれていました。
また成長著しいアジア市場にも近い地理的な優位性もあるエリアです。

これらの資源を使って、地域を活性かできないか?
2013年、佐賀県は、化粧品産業の集積と自然由来原料の供給地化を目指す「コスメティック構想」を掲げ、県庁にプロジェクトの推進部局を設置します。
佐賀県によると、コスメ産業専門の部局は47都道府県で唯一とのこと。同時期に、一般社団法人ジャパンコスメティックセンター(JCC)が作られました。

その狙いは
1.産官学が連携して佐賀県産の料を活用すること
2.OEM工場などあらゆるコスメ関係企業を誘致すること
3.各社をマッチングさせコスメ産業を“地域の産業”として時間をかけて育てること
4.そして世界へ販路を拡大していくこと
大きく、この4つです。

スタートから13年、佐賀県に進出したコスメ企業は17社。
コスメティック構想は、一歩ずつ歩みを進めてきました。

■耕作放棄地のみかん畑に活路

注目を集めている舞台のひとつが、唐津市にあるみかん畑。
みかん畑は日当たりのいい斜面にあり、高齢化した生産者たちから見れば厳しい環境。
そのためここ数年、就農を続けられず耕作放棄地が拡大していました。

佐賀県コスメティック産業推進室の東泰史室長は、そこにチャンスがあると言います。
「コスメの視点で見た時に、この耕作放棄地って、実は農薬を使ってない、結構お宝のような貴重な土地なんですね」
「人の手がしっかり入っていくというところで、荒れるのを防いだりとか、あとは害獣が生えてくるのを防いだりといった効果もあると聞いています」

問題が資源になる——この発想の転換から、新しいプロジェクトが始まりました。

■実を採らないなら、花を採ればいい…「ネロリラ」誕生

この発想をものづくりの形にしたのが、奈良発の国産オーガニック化粧品メーカー・クレコスの暮部達夫社長です。
構想の初期から唐津に関わり、2018年には唐津市が整備した工場「FACTO」に製造拠点を移しました。

株式会社クレコス 代表取締役社長 暮部達夫さん
「みかんの花は実をならせるために咲くもの。産地で花を摘むことは普通ありません。でも耕作放棄地なら実を採らなくていい。だったら花を採ってもいいじゃないか、と。花は軽いから、お年寄りでもいろんな方が携われるんです」

もともと香りの世界では、ビターオレンジの花から採る精油「ネロリ」が高価で上質な素材として知られてきました。
ならば日本の温州みかんの花でも——。蒸留してみると期待どおりの良い香りが立ち、「ジャパニーズネロリ」を核にしたスキンケア商品が生まれました。

2025年、このブランドを、Afternoon Tea LIVINGなどを経営する株式会社ICLが取得。
「NEROLILA」とリブランディングし、「佐賀から世界へ」をイメージし、更なるクオリティアップを図っていきます。

■買うだけで、地域が動く―手間を惜しまない"贅沢な"コスメ

ネロリラは化粧水やオイル美容液、フェイスクリームなどを展開する自然由来の成分を大切にしたブランドです。

暮部社長は次のように説明します。
「満月の日に素材を漬け込み、次の満月までかけてエキスを取り出す。太陽の光に当ててエッセンスを作るなど、一つひとつの原料にものすごく手間をかけています。あんな贅沢につくらせてもらえる商品は、まずない」

さらに、その製造工程にも特徴があります。
花摘みには障がい者就労支援施設の人々も参加し、製造の一部も障がい者施設が担っているのです。

耕作放棄地の再生、地域の雇用、働く人の工賃向上——

「この商品を買っていただくだけで、社会課題の解決につながる仕組みです」と暮部社長はその意義を語ります。

1年に10日だけ咲く花から生まれた、佐賀発のコスメ。
その香りを、直接、試すことができるPOP-UPストアが、7月9日から期間限定で、岩田屋本館に設置されました。
この取り組みは九州では初開催とのこと。

ネロリラのブランド担当・三浦佳穂さんは 「ネロリラの魅力をこの機会に福岡の人に届けたい。真心をこめて、色んな使い方もお伝えしたい」と話します。

会場ではオイルや化粧水などを試用することでき、早速「Instagramを見て気になって見に来ました」というお客さんの姿も見られました。

耕作放棄地の活用から着想を得た、佐賀発コスメ「ネロリラ」。
社会課題の解決と地域活性化のカギになっています。

『ネロリラ POP-UPストア』
場所:岩田屋本店本館1階 正面玄関前 プロモーションスペース
期間:7月9日(木) ~7月15日(水)
営業時間:10:00-20:00

■ 外部リンク

NEROLILA(ネロリラ)のホームページ

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