佐賀県有田町は言わずと知れた、400年以上の歴史を持つ「有田焼」の産地です。 今回は、有田焼の青い絵柄に使われる顔料「呉須(ごす)」を生産する『深海商店』を紹介します。
13代目の深海宗佑さんによると、創業から430年という長い歴史を持ち、有田焼だけでなく佐賀の伊万里焼、長崎の波佐見焼など、多くの窯元に呉須を卸している、焼き物産地にとって“なくてはならない存在”なのだそうです。
■400年前から続く「青」の進化
深海商店で取り扱う呉須は、コバルトを主成分とする原料を調合して作る絵具です。 井上桃子リポーターは、1630年代に作られたという古い器の破片を見せてもらい、400年前の青と現代の青を比較。現代の呉須は不純物が少なくなり、よりクリアな青へと進化していることがわかります。
店内の展示室には、実に300種類もの呉須のサンプルがずらり。濃い青、淡い青、焦げたような青など、青だけでも無数の色味が並ぶ様子は壮観です。
■製造過程に秘められた「1ヶ月」の手間暇
続いて、井上リポーターは呉須の製造工程を見学しました。まず金属を調合したもの焼き、青く変化させます。 一度焼くと化学変化で硬くなるため、1マイクロメートルという細かさになるまで、約2週間機械にかけて砕くそうです。
さらに、日本ではこの地域だけといわれる、石臼でじっくりすりつぶす工程を重ねます。微細な粉末にする作業だけで、トータルで1ヶ月を要するとのこと。手間暇かけて作られる「呉須」製造の裏側に、井上リポーターも感心していました。
■伝統の青を普段使いに!「呉須」を使ったアパレルブランド
『深海商店』では、呉須の魅力を幅広い世代に伝えるため、ある新しい挑戦をしています。それが、呉須で染めた洋服を扱うアパレルブランドの展開です。伝統的な有田焼はシニア層に好まれがちですが、深海さんは若い世代にも興味を持ってもらえるよう、呉須の色合いを活かしたカジュアルなデザインに仕上げました。「Tシャツ」(4500円〜)「トートバッグ」(1500円)などがホームページで購入可能です。
■『フィンランドフェアinSAGA シリーズ7』で箸置き作り体験も!
今週末12月6日、7日にはアリタセラで開催される『フィンランドフェアinSAGA シリーズ7』にも出展。フィンランドのデザインブランドとコラボレーションした「オリジナル釉薬での箸置き作り」(3300円/2個)の体験を提供します。
フィンランド柄とオリジナルの釉薬が融合した可愛らしい箸置きは、焼成・発送まで行われるため、旅の記念にぴったりです。
『深海商店』
佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-223
0955-42-2343(8:20~17:00 土日祝を除く)
https://enogu-fukaumi.co.jp/
《フィンランドフェアinSAGA シリーズ7》
2025年12月6日(土)11:00~20:00、7日(日)11:00~17:00
会場:アリタセラ(有田町赤坂丙2351-169)
「オリジナル釉薬での箸置き作り」(3300円/2個)
①12:30~②15:00~ ※各回定員15人、所要時間 約2時間
※営業時間などは変更される場合があります。事前にご確認ください。
※九州朝日放送 2025年12月4日「地元応援live Wish+」の放送内容です。
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