
絶品!土俵の真ん中で味わう!太くて、優しい「きのこ天うどん」(福岡・大木町)【まち歩き】

■麺の向こうに、歴史が見える。
福岡県大木町に、ひときわ目をひく大きな看板がある。その文字は「土俵うどん」。まるで相撲の土俵のようにどっしりと構えたその名にふさわしく、ここには極太の、そしてふんわりもちもちの、唯一無二のうどんがある。取材日も昼どきには駐車場がいっぱいで、開店から29年という年月の中で、この味を愛する常連さんたちの多さを物語っていた。

【“ふわ・もち・キュッ”がクセになる、職人技のうどん】
店内はテーブル席のほかに座敷、そして一人でも入りやすいカウンター席も完備。厨房の奥に目をやると、湯気の中から現れるのは、太くて堂々たるうどんの姿。実はこの麺、自家製麺工房で、毎日丁寧に仕込まれている。極太麺、細麺の2種類から選べるというのも嬉しいが、特筆すべきは、「極太麺」。
一見すると博多うどんのような柔らか麺。しかし一口すすると、その柔らかさの奥に“キュッ”としたコシがあって驚く。これは釜揚げで40分以上、絶妙な加減で茹であげたからこそ生まれる二層の食感だという。やみつきになるとはこのこと。まるで口の中で麺が踊るような感覚だった。
【一滴残らず味わいたい、贅沢だしの底力】
麺を支えるのが、こだわりの出汁だ。羅臼昆布に煮干し、かつお節など、国産素材をふんだんに使い、6時間かけて煮出したこのスープは、ほんのり濁りがあって旨味が凝縮。ふわっと鼻をくすぐる香りとともに、口に含むとまろやかな甘みと深いコクが広がる。濃いめなのにまったくくどくないから、気づけば丼の底が見えていた。

【「今日は何のせよう?」選ぶ楽しみ、広がる世界】
「土俵うどん」のもう一つの魅力は、トッピングの豊富さだ。肉、きのこ、天ぷら、山かけ、キムチまで、自分好みにカスタマイズできるから、毎回ちがう顔のうどんが味わえる。中でも肉トッピングは絶大な人気で、ボリュームも質も申し分なし。甘辛く煮込まれた肉が、出汁と絶妙に絡む。
【“旨みの二刀流”にやられる。「肉+きのこ天うどん」】
特におすすめしたいのが「肉+きのこ天うどん(税込810円)」。これ、ほんとにすごい。肉のうまみと、大木町の特産・きのこを使った天ぷらが、どんぶりの上で夢の共演を果たしている。細く揚げられたえのきのかき揚げと、ぷりっと弾力あるしめじの天ぷら――この異なる食感が、交互に現れるのがまた楽しい。
地元のきのこ工場から直接仕入れるというこだわりも、味にしっかり反映されていた。

【持ち帰りでも“土俵の味”をそのままに】
「土俵うどん」では、店内の美味しさをご家庭でも楽しめるよう、テイクアウトにもしっかり対応。忙しい日の夕食や、家族での食事にぴったりだ。
店の一角には、テイクアウト専用の『持ち帰り館』が設置されており、混雑する時間帯でもスムーズに商品を受け取れるよう工夫されている。事前に電話注文もOK。
【“土俵の味”を地方発送も】
こだわりの麺とスープを急速冷凍してあり、お店の味をお取り寄せや、贈答用としてご利用されるお客様も多いとのこと。 ぜひこの味をご自宅でも味わっていただきたい。
【一杯のうどんが、心をほどいてくれる場所】
大木町に根付き、地域とともに歩んできた「土俵うどん」。このうどんを食べると、不思議と心がゆるみ、日常の慌ただしさを忘れてしまう。それは、手間を惜しまない職人たちの想いが、出汁の一滴、麺の一本にまで宿っているからかもしれない。
一度食べたら忘れられない。そんなうどんが、ここにはある。
今日のお昼は、“土俵”の真ん中で、うどんという名の小さな贅沢を味わってみませんか?
■『土俵うどん』
住所: 福岡県三潴郡大木町奥牟田604−6
TEL:0944-33-0266
営業時間:10:30~21:00(LO20:45 )
定休日:木曜(祝日の場合は営業)
駐車場:あり
【うどんメニュー(一部)】税込
・かけうどん …… 380円
・釜玉うどん …… 350円
・きのこ天うどん …… 560円
・牛カレーうどん …… 630円
・肉うどん …… 630円
・肉+きのこ天うどん …… 810円
Instagram@dohyou.udon
https://www.instagram.com/dohyou.udon/