「自由のかたち」(福岡県糟屋郡久山町)
ろくろを使わずに、手で粘土をこねていく「手びねり」という手法で作陶する髙鶴大さん。
主に抹茶碗を作ることが多く、色や形のバリエーションが豊かなところが特徴的で、その作風に共感するファンも多い。
手に持った時の感触は感動的だった。初めてなのに使い慣れた感覚になった。
髙鶴さんはアメリカで青年期を過ごし、大学では写真や彫刻などを勉強した。
父や祖父も陶芸家だったこともあり、小さいころから焼き物が身近にありすぎて、少し距離を置きたかったそうだ。
ところが大さんは帰国して、陶芸の世界に入ることになる。
その理由は「焼き物は総合芸術だから」。
形つくりは彫刻、彩色は絵画。陶芸だけをやってきたわけではない青年時代の経験が、自分にとって「良い道草だった」と振り返る。
そんな髙鶴さんが未来に残したい風景は「首羅山遺跡」だ。
髙鶴窯の裏にある山で、最近、登山道が開通したこともあり注目されている。
髙鶴さんも幼少の頃はよく登っていたそうで、多くの遺跡と触れ合ってきたそうだ。
山頂には薩摩塔などの遺跡があり、まるで異世界に入ったかのような感覚だ。
撮影日はアメリカに留学中の息子さんも同行して、久山の景色を味わいながら、大さんの抹茶碗でお茶を楽しんだ。
新たな久山のスポットは異国情緒もありつつ、風流な気持ちも味わえる素敵な場所だ。
※この記事は2023年の情報です(「STORY」2月5日放送)。