夢はマンガ図書館?!4万冊のマンガを所有するマンガ博士~ふるさとWish大牟田市~
福岡県の南部、九州のほぼ中央に位置する大牟田市は、明治以降、三池炭鉱と石炭化学コンビナートの隆盛と共に大きく発展、日本の近代化に貢献したまち。炭鉱閉山後、三池炭鉱関連資産は、明治日本の産業革命遺産として世界文化遺産に登録されています。
2019年4月16日(火)の放送、九州朝日放送の朝の情報番組「アサデス。KBC」の「ふるさとWish アサデス。旅行社」では、そんな大牟田市に、膨大なマンガを所有するマンガ博士がいるとの情報を聞きつけ、早速、調査することに…。大牟田の街とマンガをこよなく愛するマンガ博士とは一体、どんな人物なのか―。
思い出はマンガの中に…マンガに魅了され、集めた数は4万冊!!
「まずは情報収集!」とボビーが向かったのは、大牟田市役所。「大牟田にマンガ博士がいると聞いたのですが…」と声を掛けた職員さんから、「前原さんなら知っているかも」といわれ振り向いたところに、偶然、その前原さんが通りかかるミラクルが!大牟田市役所の前原雄一さんによると、今は退職してしまった元市役所職員とのことで、早速、その方のご自宅に伺うことにしたボビー。一体、どんな人なのでしょうか。
向かった先で迎えてくれたのは「マンガ博士」ご本人、原田誠一さん。「いろんなところからお問合せがあった時には、お答えしているだけですよ」と謙遜しますが、相当なマンガの知識と膨大なコレクションを有し、業界では有名な方なのです。
「どうぞ」と通された部屋は、ボビーが思わず、「入ってくださいって、入れるスペースないじゃないですか」と笑ってしまうほど、大量のマンガで埋め尽くされています。しかし、実はこれはほんの一部。実は別棟にマンガのためだけに作った書庫があり、そこにも膨大な量のマンガが…。その数、なんと4万冊!その1冊1冊に思い入れがある様子の原田さん、マンガについて話し出すと止まらなくなるほど。
その強い「マンガ愛」は2歳半の時に読んだマンガがきっかけ。「あの時に読んだマンガは何だっただろう」そんな思いを抱き続けていた20歳の時、古本屋で偶然、あの時のマンガを発見。運命的な出逢いで「そうだ!これが原点だった」と、コレクションが始まりました。「マンガを読むと、当所の風景や時代が思い浮かぶ」と語る原田さん。原田さんにとって、1冊1冊のマンガが思い出の詰まった宝物そのものなのです。
「初恋の思い出は?」と尋ねるボビーに、「高校の時、今の嫁さんに貸したマンガ「火の鳥」。お礼にと渡されたガムはしばらく食べられませんでした…」と照れる原田さん。一方の奥様はというと、「そうらしいですね~」とおぼろ気な様子。しかしながら、お二人並んだ姿からは、目の前に積み上げられたたくさんのマンガ同様、マンガが結んだ縁を大切に、時を重ね、思いを重ねてきたのだと感じられました。
実はマンガ家大国?!大牟田をマンガでアツくしたい!
原田さんは多数のマンガを所有するだけでなく、各地でマンガの展示会も開催しています。「今度のテーマは、大牟田市出身のマンガ家さんの作品です」というように、実は大牟田市、ギャグマンガ、少女漫画、ホラーマンガなどジャンルを問わず、多数のマンガ家を輩出しているのです。原田さん独自の分析調査によると、炭鉱社宅周辺には、貸本屋が多数存在しており、マンガが子どもたちにとって身近な存在だったことで、マンガ家を志す者が多かったことが理由ではないかとのこと。実際、原田さんの妻の妹もマンガ家、原田さんの同級生もマンガ家です。原田さん自身、若い頃はマンガ家を夢見ていたと話します。
そんな原田さんが今、夢見ているのは、「大牟田をマンガで町おこし」。マンガ図書館を作り、多くの人に大牟田出身の漫画家を、その作品を知ってほしいと願っています。その活動の一つとして行っているのが、マンガ展示会です。マンガを愛し、マンガを知り尽くした「マンガ博士」イチオシの、ドキドキ、ワクワクするマンガの世界に、ぜひ足を運んでみては?
【マンガ展示会】
5月15日(水)~6月2日(日) 大牟田市の喫茶店「びりじぁん」
6月15日(土)~7月7日(日) 大牟田市石炭産業科学館
※この記事は2019年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。