村人の手で蘇ったホタルの名所 美しく舞う5000の光~ふるさとWish赤村~
KBCのテレビとラジオで、地域共創プロジェクト〝ふるさとWish〟の2周目がスタートしました! 朝の情報番組「アサデス。KBC」のふるさとWishコーナーでは、リポーターのボビーが福岡県全60市町村をはじめ、エリアの魅力をたっぷりとお伝えします。
6月9日に特集したのは、福岡県田川郡赤村。県内に2つしかない村の一つで、田園風景が広がり、自然豊かな山々に囲まれた穏やかな場所です。
初夏の風物詩・ホタル
赤村では、毎年5月下旬から6月上旬にかけて約5000匹のゲンジボタルが舞うといいます。ホタルを保護する活動を行っている「赤村ほたるの会」の植田寛さんは、「ホタルを増やすためには、環境を良くしようということで集まっています」と話します。
ホタルにとって最も大切なのは、きれいな水。会のメンバーは、流域の清掃活動や、ホタルのエサになるマキガイ、カワニナの養殖などを行っています。
早速ボビーはホタルが生息するという十津(とつ)川の上流へ。すっかり日も暮れた午後8時ごろ、目の前にチラチラと幻想的な明かりが現れだしました。「時々家にも来るんですよ。自分が小さい頃は本当に(ホタルの数が)多くてね」と話す住民。
ホタルが少しずつ減少
今では福岡を代表するホタルスポットの赤村ですが、かつて環境汚染に悩まされた時期がありました。ホタルの保護活動を最初に行った小川次男さんによると、農薬や家庭排水で川が汚れ、少しずつホタルが姿を消していったそうです。しかし、元の自然を取り戻そうと村人たちが一念発起。さまざまな取り組みで環境が改善し、次第にホタルの数も増えていったといいます。現在、村の小中学校ではホタル保護の標語や看板を作るなど、思いは確実に次の世代へと受け継がれています。「ほたるの会だけではなく、村民みんなが環境について心掛けるようになりました」と小川さんもうれしそう。
ほたるの会の大場謙一さんは「毎年、きちんと飛んでくれるのがありがたい。今、感染症でいろいろ騒がれているのが、これを見ていると嘘みたいです。(これからも)環境を守りながらホタルを大事にしていきたい」としみじみ語ってくれました。
今年は村内のホタルの名所を巡るバスも運行停止。残念ですが、いつの日かまた美しい自然に包まれた赤村のホタルを見に行きたいですね!
※この記事は2020年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。