あのアーティストも!依頼主の心をわしづかみにするオーダースーツ~ふるさとWishみやま市~
2020年1月21日(火)放送、KBC「アサデス。」の人気コーナー「アサデス。旅行社」で訪れたのはみやま市。同市は、日本一の炭酸含有量とされる鉱泉を汲める「長田鉱泉場」や「女山(ぞやま)史跡森林公園展望台」が名所です。
どんなオーダーにも応えるイケメン仕立て屋さん
リポーターのボビーに与えられたお題は、「みやま市瀬高町で愛される“町のスタイリスト”」を探すというもの。市民に聞き込みをすると「黒木さんでしょう?」「息子の成人式のスーツを作ってもらった」という声が。教えてもらった場所へ向かうと、のどかな風景の中に1軒、目立ったおしゃれな建物を発見!「クロキビスポークルーム」という看板が掲げられています。
中に入ると「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた男性が。こちらが、ウワサの黒木雄平さん。しかも、噂にたがわぬイケメン!早速、その黒木さんに話を伺いました。
「靴から、シャツ・スーツ・ネクタイなどをオーダーできます」という黒木さんに、ボビーが「オリジナルなんですか?」と尋ねます。すると、黒木さん自身が着ていたジャケットの裏地を見せてくれましたが…なんと、ドクロ柄!
「男のファッションは、表が派手だとなかなか着ていく機会がないのですが、中は自由にすると心持ちが変わるときもありますよね」と黒木さん。この日、黒木さんが着用していたベストやシャツも見せていただきましたが、遊び心が満載!ベストの後ろはシックな花柄、ギンガムチェックのシャツの肩には“かべちょろ”の刺繍も。「うわぁ~!しゃれとる~!」と唸るボビー、「遊び心があって、楽しいですね」と思わず笑顔に。
黒木さんは48年続く仕立て屋の2代目。2008年にオープンしたのがこの「クロキビスポークルーム」なのです。“ビスポーク(bespork)”とは、話をしながら(対話で)注文することから、今では「オーダーメイド」の意味で使われている言葉なのだとか。
ある日、オープンと同時にやってきたのは久留米市に住む常連の近藤 武夫さんと娘さんご夫妻。この日は娘さんの夫・関 隆之さんの仕事用のスーツを作りに訪れました。隆之さんは、スーツをオーダーするのは今回が初めて。黒木さんは、何気ない会話や雰囲気に合わせ、約3000種ある生地サンプルの中からおすすめを選んで提案していきます。
黒木さんがおすすめしてくれたグレーの生地に決めた隆之さん。他にもボタンや裏地、ジャケットの形なども決めて初オーダーを終えました。「最初は緊張したけれど、こちらの要望を的確に聞いて提案してくれるので、とても良かったです」と満足そうでした。
オーダー後は奥の工房での作業になります。「クロキビスポークルーム」では、靴や服のリメイクも行っているため、工房にはたくさんの洋服がずらり。中には、ウエディングドレスも!「5店舗くらいまわって断られてウチに来られたので、何とかしましょう」と引き受けたと語る黒木さん。隣にいた、34年のベテラン縫製担当の綿貫さんいわく「最初は(ウエディングドレスのリメイクが)できるかなと思ったのですが…。社長は困っている人を見るとどうしても断れないタイプなので」と苦笑い。黒木さんの人柄がよくわかるエピソードですね。
仕立てだけでなく、人々の交流の場にも
そんな黒木さん、愛されているのは地元の中だけではありません。歌手の竹原ピストルさんは、日本アカデミー賞授賞式で黒木さんが仕立てたスーツを着てレッドカーペットを歩いたのだとか。
実は黒木さん、10年ほど前からこの店内で定期的に音楽ライブやワークショップを開くようになったといいます。そんな、“仕立て屋ライブ”の常連となっていた竹原ピストルさんは、以前から「何らかの晴れ舞台を迎えたそのときは、クロキビスポークルームで仕立ててもらったスーツを着ていく」と公式ツイッターでもつぶやいており、2017年日本アカデミー賞授賞式でそれが実現したのだとか。
「地域の方が楽しめる、立ち寄りやすい場所になれば」と仕立てを軸に、地域や人との交流への想いも語ってくれた黒木さん。「いろんな交流が生まれるスペース(店)ですね」と黒木さんの活動の幅広さに、ボビーも感心していました。
ちなみに、スタジオでは黒木さんがこれまでに印象に残ったお客さまについての話題に。「“お題”でオーダーされるお客様もいるそうで」と、ボビーがそのうちの1人を紹介してくれました。大阪在住の辻本さんという方からの「矢沢永吉のライブに着ていくスーツ、ハーレーにも似合うスーツでよろしく!」というオーダーが特に印象に残っているそうで、その時作ったスーツがまた、シックでかっこいい!「今までいろんなところでオーダースーツを作ってきたが、黒木さんほど自分に合ったスーツを提案してくれる人はいない」と辻本さんも大絶賛だったそうです。
西日本鉄道が運行する「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」や、平成筑豊鉄道の「ことこと列車」の乗務員が着用する制服も、黒木さんが手掛けられたそう。全国の人から頼りにされている、こんなにスゴイ仕立て屋さんがみやま市にあったとは驚きです。興味のある方は、ぜひ“ビスポーク”を体験してみて!
■クロキビスポークルーム
住所:福岡県みやま市瀬高町高柳223-1
TEL:0944-63-5867(来店の際は事前に連絡を)
※この記事は2020年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。