ファン垂涎のあの車両から明治時代の駅舎まで!点在する鉄道遺構を訪ねる旅 ~ふるさとWish筑紫野市~
月曜から金曜まで毎朝KBCで放送されている情報番組「アサデス。」の名物企画の1つに「アサデス。旅行社」があります。毎回設定されるテーマをもとに、福岡県のさまざまな市町村を訪れているリポーターのボビーは今回、筑紫野市を訪れました。
住宅街に電車!その真相は?
福岡県中西部に位置する筑紫野市は“博多の奥座敷”と称され、福岡市のベッドタウンとして人気のまちです。今回のテーマが「筑紫野市と鉄道」ということで筑紫野市の住宅街を歩いていたボビーは、ある意外なものを目にしました。
「え、何これ?路面電車?なんで住宅街にある?」と戸惑うボビー。なんと、住宅街の一角に電車の車両があったのです。よく見ると今にも動き出しそうなほど、しっかりと手入れされています。一体なぜこんなところに…?その真相を、持ち主の手嶋 康人さんにお聞きしました。
「30年前に廃車になるというので、西鉄さんに“ください”と言ってうちの親父がもらってきた」と手嶋さん。この電車は、1941年につくられ1989年まで、大牟田線や甘木線で実際に人を乗せて走っていた西鉄の通称“200形”。今では、この貴重な車両をひと目見ようと、日本全国から鉄道ファンが集まるのだとか。
今回特別に、中も見せていただきました。「うわあ、すごい!床が木材!かなりいい味出してる~!」とレトロな車内を見て大興奮のボビー。「昔のままにしているんです。よかったら運転席にも」と、さらに奥に案内してくれた手嶋さん。当然走ることはできませんが、限りなく当時のまま保存したいと考えている手嶋さんは、時間を見つけては整備を続けているそう。そのため、どの部分もきちんと手入れされており、中にはまだ動く部分も。運転席にある小窓やマスターコントローラー(アクセル)、ドアの開閉ボタンなどを実際に触らせていただき、気分はさながら運転手!1つ1つに「本物だ~!」とボビーはテンションMAX。
お父さんの影響もあり、小さなころから鉄道が大好きだという手嶋さん。「(この車両は)筑紫野、いや福岡の宝だと思っています。いつか博物館をつくるなどの話があれば、寄付したい」と想いを語ってくれました。
手嶋さんの鉄道愛に触れ感動したボビーは、筑紫野市にあるJR二日市駅に向かいました。実は筑紫野市は鉄道とゆかりが深いそう。待ち合わせていた筑紫野市歴史博物館の小鹿野 亮さんが、いろいろなことを教えてくれました。「JR二日市駅は九州でいちばん最初に作られた鉄道の駅のうちの1つなんです。博多駅から久留米までが最初にできた区間なのですが、その区間にできた駅の1つが二日市駅で、もうひとつが原田(はるだ)駅だったんです」とのっけから意外な事実が。
さらに、「当時(明治時代)の駅の様子が、二日市駅の中に残っているんです。博多駅や久留米駅は(建てかえて)新しくなってしまったので、当時の名残がわかるところが二日市駅くらいしか残っていない」ということで、小鹿野さんに二日市駅の構内を案内してもらいました。
まず説明してくれたのは柱。「色は塗ってしまっていますが、梁など木造の駅舎が今でも残っているんです」と小鹿野さん。他にも、レンガ造りの部分など駅のいたるところに明治時代の遺構があり、今なお現役で活躍しているといいます。
さらに歴史を感じられる場所があるということで、小鹿野さんとアイタカーに乗って行ってみることに。それは、昔の線路でした。今は道路となっており面影はありませんが、現在の線路の隣にある道をたどっていくと、少しカーブがありながらもまっすぐのびています。ちなみに、この道を進んでいくと国登録有形文化財の「旧九州鉄道 城山三連橋梁」もあります。九州で現存している数少ない鉄道橋で、レンガ造りの三連アーチの橋は当時の様子をそのまま残しています。
鉄道の遺構が数多く残る筑紫野市。電車好きはもちろん、そうでない方も、鉄道の歴史を感じに筑紫野市へぜひ訪れてみて。
※この記事は2019年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。