タレにつけてもウマっ!意外性で勝負の「からあげ」 ~ふるさとWish大川市~
大川市民はアレをタレに浸して食べる?!
筑後川上流にある大分県日田市からの材木の集積地であった大川は、その木を活かした木工の技術を継承してきた日本有数の「インテリアシティ」。そんな大川市に、「知られざる食文化がある」という情報が…。2019年3月12日(火)に放送した九州朝日放送の朝の情報番組「アサデス。KBC」の「ふるさとWish アサデス。旅行社」ではリポーターのボビーが現地調査を実施。意外な食べ方と衝撃の事実を持つ、大川流食文化とは一体?!
聞き込み調査で大川市民がこぞって口にしたのは「大川といえば、からあげ」。それを裏付けるように、メインストリートには約3キロに渡って、コンビニエンスストアと同じ軒数のから揚げ店が軒を連ねています。一口に「からあげ」といっても、オーソドックスなものから、ピリ辛など趣向はさまざま。さらに、イートインやテイクアウトだけでなく、配達までしてくれるのが大川流とのこと。実際に配達を依頼した大川市民のお宅に伺うと、せっかくの揚げたてを何かに浸して食べている?!
大川市向島にある「からあげの多なか」の店内でも、やはりタレに浸してからあげを頬張る大川市民が…。店主の田中譲さん曰く、「元祖の店で修業した味を守りたいから、この食べ方を提供している」とのこと。そう、タレに浸す食べ方こそが、「大川流」の所以!
大川流の元祖は創業55年の「大将」。1日100人前以上の注文が入る人気店です。「おまたせしました~」と女将の平野澄子さんが差し出したのは「骨なしからあげ」、もちろんタレ付き!「これ、見た目は麺つゆみたいだけど…」と戸惑いつつも、ボビーも揚げたてのからあげをタレに浸して口にイン!「うまっ!タレにつけても、ちゃんとカリっとしていて、絶妙のバランス!」と大絶賛!
この「元祖」を考案したのは、「大将」の店主、故・平野理典さん。「おいしいからあげをたくさん食べてほしい」と、日本料理店で修業した経験をもとに、出汁のうま味が利いた天つゆのようなタレで食べるスタイルを生み出しました。
大川市のからあげ文化は神社の影響?!太古からの食文化?!
そもそもなぜ大川市にここまでからあげ文化が根付いたのか―。それは、大川市酒見にある「風浪宮」の神事で、筑後三大祭の一つである「裸ん行」の影響という説があります。毎年2月に開催されるこの「裸ん行」の期間中、鶏以外の肉は口にしてはいけないという禁忌があります。そのため、鶏肉を使ったからあげが地域に親しまれたといいます。
さらに、この大川の鶏肉文化には貴重な発見もありました。「風浪宮」の目の前にある大川公園の参道にある大規模な貝塚跡では、貝殻だけでなく、鶏の骨も出土してるというのです。宮司、阿曇史久さんに伺ったところ、全国で4例目となった発掘結果で、弥生時代から鶏を家畜として飼育していた可能性もあるという貴重な発見となったそう。
弥生時代の太古から発展したのかも…そんな壮大な背景を秘める「大川流からあげ」。タレで食べるという独自スタイルも味わい深い、大川ソウルフードをぜひ味わってみたいと思いませんか?「からあげ」だけに、“トリこ”になるかも…。
※この記事は2019年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。