甘味系豚骨に惚れた!豚バラチャーシューもトロ旨「富龍らーめん」~ふるさとWish 大川市~年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.10
父から継いだ2代目店主が伝統のラーメンを進化させる
家具の街として知られる福岡県大川市はグルメも実力派ぞろい。ラーメンにおいては、1971(昭和46)年創業の「富龍(ふりゅう)らーめん」が筆頭株だろう。場所は、ゆめタウン大川のそば。目の前にはカレーの大人気店「Taj(タージ)」もある。
真っ赤な暖簾と龍のイラストが目印の「富龍らーめん」で迎えるのは2代目となる田島慎吾さん。幼少から先代の父が作るラーメンに親しんで育ち、20代で家業を継いだ。
田島さん「専門学校で料理の勉強をした後、真剣にラーメンに向き合いたいと父と一緒に働き始めました。子供の頃から食べ慣れている我が家のラーメン。実際作ってみると本当に難しく、奥が深かったですね。今は引退した父と製法において衝突することもありましたが、お互い目指したのは“いつ食べても味にブレがない”“味噌汁のように毎日食べても飽きのこないラーメン”です」。
田島さんは、鹿児島県産の豚頭、げん骨、さらに宮崎県産の鶏ガラを一緒に入れ、丁寧にアクを取りながら十数時間かけてスープをとる。豚骨ラーメンには、営業時間中も釜の状態を見極めながら骨を出し入れ、水を足すなど味を調整していく作り方もあるが、時間帯によってスープの濃淡が出やすい(それが店の味でもあるのだが)。一方、田島さんは「いつ食べても同じ味を」との思いが強くある。あくまで仕込みでしっかりと完成までもっていき、濾しながら営業用本釜に移した後は手を加えない。それにより、煮詰まることもなく一定の濃度をキープしやすい。
臭みがなくマイルドな味わいに仕上がった豚骨スープに地元「大川醤油」ベースのラーメンダレがふくよかな甘味をプラス。
また、同店は自家製麺も旨いと評判だ。
田島さん「麺まで作ってこそ真のラーメン店。10年ほど前に自家製麺に切り替えました。いつもの仕込みに製麺という手間が増えましたが、何より自分好みの麺を自由に作れるのがメリット。気温や湿度で仕上がりが変化する麺と対話しながら、愛情を注いで作っています。麺の茹で加減には各自好みがあるでしょうができればバリカタではなく“普通”で味わってほしい。麺の芯に程よい食感を残し、かつ周りがトロリと絡み付く最高の茹で加減でお出ししますよ」。
「富龍らーめん」にはラーメンと肩を並べる人気の「ちゃんぽん」(豚骨ベース)、さらにオーダー率が7割の名物焼き飯(ニンジンたっぷり!)もある。
卓上に置かれた自家製辛味噌で味の変化も楽しんでほしい。
【富龍(ふりゅう)らーめん】
住所:福岡県大川市北古賀253-1
電話:0944-87-2393
営業時間:11:30~15:00、17:30~21:00
休み:木曜、第3水曜
席数:36席
駐車場:18台
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。