緩やかに続く人口減少…子育て世帯を呼び込め!イベントで“住みたくなる街”へ~ふるさとWish宮若市~
2月中旬。
夜の廃校にこだました悲鳴…
ここは、宮若市の廃校を舞台にしたお化け屋敷です。
地元市民の手作りにも関わらずリタイアする人も出るほどのクオリティ。
その陰には、ふるさとを思う若き経営者達の姿がありました。
かつて産炭地として栄えた町は今、自動車の町です。
1991年にトヨタ自動車九州が誕生し、現在はレクサスの一大生産拠点になりました。
年に約37万台生産されており、当然毎年宮若市には多額の税金が入ってきます。
財政の健全度を表す実質赤字比率は、福岡県内の29の市で良い方から2番目。
人口増加が続く福岡市よりも上です。
しかし宮若市にはある悩みがありました。
市内には鉄道の駅がありません。工場で働く人の多くは、宗像市や福津市、古賀市などの比較的利便性の高い、JR鹿児島線沿線に住む傾向が高いと言います。
宮若市の推計では、宮田工場の従業員 約8500人のうち、市内に住んでいるのは1割未満。
子どもの人数も人口も減っているんです。
そこで若い経営者達の挑戦が始まりました。
“子どもが楽しめるイベントを増やして話題になれば、子育て世代が移り住んでくれるかもしれない”と考えたのです。
5年前廃校になった中学校。
地元の商工会青年部の会長、中田さんは仲間とお化け屋敷の準備を進めていました。
お化け屋敷は、美術室や音楽室など7つのステージを回るスタンプラリー形式。
青年部メンバーの上野さんは、“若い方にこうやって宮若を知ってもらえれば、定住するきっかけになる”と期待します。
これまで発想になかった町おこしのやり方で、約190人の若い世代が来場しました。
地元の資源を生かして、子どもたちの話題が絶えない町に。
若い世代の挑戦はまだ始まったばかりです。
※この記事は2019年の情報です(「シリタカ!」2月27日放送)。