“鯛”に“松竹梅”も盛り込む、めでたすぎる一杯。糸島「鯛らーめん 穂と花」 ~年間300杯!豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.5~
糸島で何を食べる? となれば、ビーチ沿いのシャレたカフェ飯、今の時期であればプリップリの牡蠣などが真っ先に挙がるだろう。しかし、声を大にして言いたい。「ラーメンという選択肢も絶対アリ!」。実は、糸島エリアはラーメン激戦区でもある。糸島で作付面積が増えているラーメン専用小麦・ラー麦の麺を取り入れる「糸島ラーメン ゆうゆう」「億万両」、ロードサイド型の横綱格「安全食堂」「長浜ラーメン力」、ふくちゃんイズムを継ぐ通称“ちゃん系”の行列店「なおちゃんラーメン」などなど。個人的には店主がルチャリブレのレスラーの顔ももつ「笑喜屋」、イニシエ処でいえば「寿楽ラーメン」も好きだ。
上記の店のラーメンをはじめ、糸島エリアも豚骨が主流。今回は、豚骨の猛者たちにあえて“鯛”で挑む、最新の糸島ラーメンを紹介する。
寿司職人が作る“鯛白湯”糸島の新名物に認定!
糸島のなかでも特に、国道202号沿いは新旧店が火花を散らす超激戦区。最近は「長崎亭」、「劉」もオープンしさらに盛り上がりをみせている。
昨年7月に登場した「穂と花」は、国道から細道に入った穴場的場所にある。
一力寿司の店主・西原良史さんが鯛ラーメンを考案。「糸島グルメグランプリ2017」で準優勝を果たした一杯を、広く食べてほしいと麺専門店を開いた。
鯛のラーメンと聞くと、澄んだあっさり系スープを連想する人も多いのではないか。しかし、同店はしっかりと白濁させた“鯛白湯”。鯛のアラをメインに、その他魚介乾物を加え、くさみ、エグミが出ないよう炊き込んでいく。
「イベント時より改良を重ね、さらに鯛の旨味が立ったスープに。具材には赤味噌仕立ての鯛のほぐし身、糸島産の穂先メンマ。さらに、昆布締めにした鯛ハムをのせたバージョン(花)も用意しています。鯛だけでも“めでたい”ですが、松の実、梅風味煎り酒、そして穂先メンマと“松竹梅”も盛り込んであるのでご利益ありですよ」と笑う、店主の西原さん。
糸島の作家の器に盛られ、彩りもいい鯛ラーメン。アラを使った鮮魚系スープは優しい塩気とともに鯛の旨味が幾重にも広がる。赤味噌仕立ての鯛のほぐし身を溶かすと、より濃く、パンチの効いた味わいに。鯛ハムも熱々のスープの中で少しずつ火が入り、味、食感ともに変化していく。そして、たっぷりの糸島産穂先メンマが名脇役。シャキコリと心地よい歯触りがアクセントになり最後まで飽きがこない。
鯛ラーメンは、現在平日12:00~14:30(LO)で提供。木曜のみ夜も食べることができる。事前に確認して訪れるのをおすすめしたい。
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。