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個性むき出し!福智町の絶品豚骨「まむし」 ~年間300杯!豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.2~

九州道八幡ICより県道22号を福智町方面に走り20分ほど。屋号は「ラーメン まむし」。少し怖々しい書体の看板に、ラーメン店では珍しい深い緑色の暖簾。外観からも只者ではない雰囲気がビシバシ伝わってくる。最初に言っておくが、ここのド直球な豚骨ラーメンはむちゃくちゃ旨い! そしてもちろん、蛇は入っていません(笑)。

「ラーメンまむし」店主の小松秀昭さんは地元福智町出身(昭和43年生まれ)。脱サラ後、ラーメン店を始めようと自身が惚れ込んだ名店「ぎょらん亭」の門を叩いた。冒頭の“緑の暖簾”でピンときたラーメンファンも多いと思うが、実は緑はぎょらん亭カラーなのだ(同じくぎょらん亭イズムを継ぐ北九州ラーメン力も緑色暖簾)。

小松さんは、ぎょらん亭の製法を踏襲しながら独自のエッセンスも取り入れ微調整。まむし流の“濃厚”“臭みがない”“しつこくない”豚骨ラーメンを作り出した。ちなみに「まむし」の屋号は映画「まむしの兄弟」から。菅原文太好きの小松さんのあだ名が「まむし」だったそう。

“特濃”でありながらフレッシュな「取りきりスープ」であることが最大の特徴。豚骨ラーメンの製法は一般的に、1日ごとに新しい骨を使いその日の分だけを仕込む「取りきり」と、熟成させたスープを柱に旨味を重ねていく「呼び戻し」に大別されるが同店は前者。あえて豚頭ではなく、豚の腕と足骨のみを使い、重厚感と食べやすさが両立する一杯を作っている。一口目からハッとなるとろみ、どっしり感。かつ、脂っこさがないのでズバズバいく手が止まらない! そして、豚バラの肉厚炙りチャーシュー、ヒダヒダがチュルリと口を心地よく刺激するワンタンもニンニクが効いてうまっ!

また、時間帯によりスープの濃度が異なり、それを客に楽しみ方の一つとしてアナウンスしているのもおもしろい。毎日新しい骨を煮込み、営業時間中も炊き続けているので、完成間もない午前中は比較的あっさり、閉店の15時に近づくにつれ、次第に濃くなっていく。何度か通い、自分好みの濃さを見つけるのも醍醐味なのだ。
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。