熟成豚骨&キラキラ醤油の新小郡系 「ラーメン キラメキ。」年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る! VOL.30~ふるさとWish 小郡市~
福岡県内の全市町村を巡り、啜りまくるラーメンwishの第30回。県内には全60市町村があるので、ちょうど折り返し地点にきたわけだ。筆者の胃袋は夏バテ知らず、ますます絶好調! これからも絶対食べるべき凄麺たちを毎週紹介していきたい。
さて、今回の舞台は福岡県中央に位置する小郡市。小郡といえば、今や世界規模の人気を誇る一蘭の発祥の地であり、同系譜、小郡に端をなすGAGAや鳳凛を総称して“小郡系ラーメン”と呼ばれている。ラーメンファンならば、ぜひとも巡礼したい地なのだ。
本釜が煮詰まらず味がブレない。熱々“手鍋仕上げ”
西鉄小郡駅より徒歩5分ほど。線路沿いに「ラーメン キラメキ。」という店がある。赤い辛味ダレが顔の代表的な小郡系とは少し趣は異なるが、豚骨、鶏醤油、そして鶏白湯と、ラーメン全種のクオリティが高い。2017年にオープンしてすぐに頭角を現し、地元民だけでなく福岡市内、久留米方面からのファンも多く獲得している。
「キラメキ。」の豚骨ラーメンは、豚と鶏を7:3の割合で煮込んだ共出し。まずは下処理を徹底した豚頭、ゲンコツを強火で炊き、時間差で鶏ガラを足す1本炊き手法をとる。そして、ひと晩寝かして熟成。店主の中津留隆章さんは緻密な計算でラーメンを作っている。「豚骨、鶏ガラ、さらに豚足も入れ12、3時間炊きます。この段階で8割方仕上げておいて、冷蔵庫でひと晩熟成。次の日に営業用釜に移し微調整します。最終的には、提供直前に温める手鍋の中で10割になるイメージですね」。スープを冷蔵庫で熟成させるのは旨味を増すため、本釜から手鍋に移し替えて温めるので、煮詰まらずに味にブレが出にくい。より熱々で提供できるのもメリットだ。「素材を出し入れするタイミング、バランスも大事です」と中津留さんは話す。
中津留さんは1974年浮羽出身。トラックドライバーを経て43歳の時に「ラーメン キラメキ。」を開業した。ドライバー時代に九州中のラーメン店を巡り、全国の有名店も食べ歩いた。まさにラーメン好きが高じての転身。
「最初は、あれもいい、これもいいといろんな要素をラーメンに詰め込みすぎていたのですが、骨と水、カエシと極力シンプルに。“女性も食べやすい”“毎日でも飽きない”。長く愛されるラーメンを目指しています」と中津留さん。
洗練の醤油ラーメン。追いガラの鶏白湯も体感せよ!
豚骨ラーメンのほか、「鶏醤油キラメキラーメン」も食べて欲しい。その名の通り輝く黄金色スープは、鶏のコク深さと筑後の醤油のほんのりとした甘さがマッチ。オオバが香り、ナンコツのコリコリ食感が心地よい鶏つくねも旨い。
この鶏清湯スープに“追いガラ”をして炊き込んだ鶏白湯(月、木曜のみ提供)もある。鶏醤油と鶏白湯の麺は京都の製麺所「麺屋 棣鄂(ていがく)」から取り寄せている(豚骨ラーメンは「久留米製麺」のもの)。
棣鄂は、高宮「地鶏らーめん はや川」や薬院「Soudori」など名店も使っていて、昨今九州でも取り入れる店が増えてきた注目の製麺所である。
小郡市では、この「ラーメン キラメキ。」、そして「GAGA」、「久留米ラーメン清陽軒 小郡店」の3店を押さえればいいだろう。
【ラーメン キラメキ。】
住所:福岡県小郡市小郡553-7
電話:0942-27-5982
営業時間:11:00〜15:00(LO14:30)、17:30〜22:00(LO21:30)、土日曜・祝日11:00〜22:00(LO21:30)
休み:水曜
席数:23席
駐車場:8台
上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。