細い道もひるまず進め! バリ旨格安の担々麺&餃子が待っている!!「餃子菜館」 年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.26 ~ふるさとWish 福岡県大刀洗町~

皮から自家製の餃子。ラー麦担々麺が楽しめる隠れ家店

「餃子菜館」の担々麺(¥450)と、餃子(定番餃子、イノシシ肉入りぼたん餃子食べ比べ、計10個¥500)

「こんなところに店があると?」。そう感じさせる飲食店は行き着くまでに不安になるアプローチも含めて、誰かに教えたくなる魅力となるわけだが、大刀洗町「餃子菜館」も好例。大分道小郡ICから比較的近いところにあるものの、周りに店は皆無。田んぼの中の細道を進んでいく、穴場中の穴場である。



農家である店主の実家を店舗に。餃子の皮、担々麺の麺も自家製。 米は周辺の田んぼで収穫した実家米

「餃子菜館」にたどり着いた人が、まず思うのは「家じゃん!」。那珂川市の「nakamuLab.」もそうであるように、自宅の一角を店にした我が家スタイル。事前情報がないと、入ることをためらってしまうだろう。
ウリはもちろん、屋号に掲げる餃子。さらに担々麺にもファンが多い。

野菜多めの自家製餃子。鉄板に面した方はカリカリ。上はモッチモチに

「餃子菜館」は大刀洗町で生まれ育った店主の矢ヶ部政則さん(1966年生まれ)が脱サラして2003年に開業。自分で商売をしたい、となった時、無類の餃子好きだったこともあり、栃木・宇都宮の餃子に着目。現地で修業後、大刀洗にはなかった餃子専門店を開いた。「最初は久留米に出そうと物件を探していたのですが、なかなかいい場所が見つからなくて。餃子の試作をしていた実家のスペースをそのまま店にしたんです。いつの間にか16年もたっちゃいましたね」と笑う矢ヶ部さん。一緒に餃子を焼いているのは母親。「ウチはもともと農家なんです。息子が会社を辞めるってだけでも驚いたのに、さらに実家を餃子店にするって言い出した時は、もうどうしましょうって、あたふた。でも一緒に始めてみると楽しくて。こんなへんぴな場所にあるのに、おかげさまでたくさんのお客様に来ていただいています」と、お母さんが素敵な笑顔で話してくれた。

自慢の餃子は、自家製の皮にキャベツ、ハクサイ、ネギ、ニラ、豚ひき肉、ニンニクなどの具を包む。生地は厚めでモチモチ。野菜の割合が多く、甘味がある。焼き餃子、スープ餃子、佐賀・脊振のイノシシの肉を使った餃子などバリエーションも多い。

餃子の皮作りの延長で中華麺も作り始めた

「餃子菜館」の店主・矢ヶ部政則さん(右)と筆者

そして、「餃子の皮を作る機械で麺も打ち始めたのが最初」と、矢ヶ部さんが話す担々麺は、福岡県産小麦・ラー麦を使った自家製麺。鶏&豚骨のスープに、餃子と同じ豚挽き肉で旨味、自家製ラー油で辛味、たっぷりの黒ゴマで香ばしさを出す。子どもでも食べられるようにと、辛さは控えめに。隠し味で加えたアオサもほんのりと香る。麺はしなやかなコシがあり小麦の風味豊か。材料であるラー麦は、餃子の皮にも練り込まれているそうだ。

モチモチ餃子とゴマっぷりがいい担々麺。さらに、周辺の田んぼで収穫した実家米のご飯をセットで頼めば言うことなし!
餃子は冷凍でテイクアウトや発送もでき、福岡市内、北九州、佐賀方面から足を伸ばす人も多い。

【餃子菜館】
住所:福岡県三井郡大刀洗町山隈2447-7
電話:0942-77-0443
営業時間:11:30〜14:00、16:30〜21:00※売り切れ次第終了
休み:水曜
席数:7席
駐車場:3台

上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。








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