モツ×バジル×バター。どんな味のラーメンか気になりませんか? 年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.25 ~ふるさとWish 福岡県芦屋町~
響灘のビーチ「芦屋海浜公園」を中心としたシーサイドだけでなく、一級河川「遠賀川」を横目に走るルートも気持ちがいい遠賀郡芦屋町。7/27(土)には「あしや花火大会2019」も開催される。宗像や北九州方面のドライブと合わせて、ぜひ立寄ってもらいたい町だ。
さて、芦屋町のラーメンについて。筆者自身今まで未食の地であった。
実際にめぐってみると、名豚骨や中華系など地元の愛され店を見つけたのだが、今回の主役は「KURA」という屋号のコバコ居酒屋。非常におもしろいラーメンを出していたので紹介したい。
和食の職人が作る創作ラーメン ベースは丁寧にひいたカツオダシ
「KURA」は芦屋町の中心地、商店街の一角にある。外観はアンティークの扉や廃材をあしらいカフェのような雰囲気。吊り下げ電球の淡い灯りに照らされた白タイルのカウンター、小上がり個室など店内も手作り感があり、かわいくまとめられている。女子ウケしそうなコバコ店だ。
このシャレた店で昼・夜ともに啜れるラーメンは、
「もつ・バジルラーメン」(バター入り)!
芦屋で生まれ育った店主の蔵野幸一さん(昭和48年生まれ)が考案した。
蔵野さんは18歳から料理の道に入り、特に、和食に力を入れ、腕を磨いてきた。「芦屋にない店を作ろう」。内装を手掛けた友人とともに「KURA」を開いたのは2017年のこと。
「メニューのひと品“モツ煮込み”を作る際、余ってしまうダシに、パスタを入れて食べていた“まかない”がきっかけ。これをラーメンにしても絶対旨いだろうと。メニュー化に向けいろいろ試した結果、モツ×和風ダシにはバジル、バターも合うことを発見しました」と蔵野さんは話す。
スープのベースとなるのは、和食の経験を生かし、香りが花開くようにとったカツオダシ。余分な脂を削ぎ落した良質なモツを一緒に煮込むことで、モツのまろやかな甘味、旨味も染み出しバターが程よく効く。柔らかいモツがプニッ、ささがきゴボウがコリッと、食感も飽きさせない。別添えされた特製バジルソースを少量加えると、香りがより芳醇に。苦みも加わり、よりさっぱりとなる。
バジルソースといえば、福岡市内の豚骨の名店「海鳴」のラーメンジェノバという好例があるが、和風ラーメン×ジェノバもアリだと実感できた。
「KURA」は、牛カツ、ダシ巻き卵、刺身など、とにかくメニューが多い。
ラーメンと合うサイドメニューもたくさんあるが、今回は海鮮丼をオーダー。
すぐ近くにある遠賀魚市場から仕入れるので鮮度特級。ヒラス、タコ、タイ、マグロなどを盛る丼にがっついて。ラーメンの和風スープをズズ。
うんうん、旨い。
また、同店は芦屋の特産であるサワラ料理のコンテスト「福岡ご当地 さわらサミット」で優勝した店でもある。グランプリメニューの「さわらラーメン」は、
仕入れにより不定期でしか出していない、いわば隠れメニュー。
食べられた人はラッキーだ。
【KURA】
住所:福岡県遠賀郡芦屋町船頭町2-20
電話:070-7585-3945
営業時間:11:30〜14:00、18:00〜23:00、金・土曜〜24:00
休み:水曜、8月より火曜
席数:20席
駐車場:なし
上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。