音楽を通じた交流
2024年12月21日
[福岡県]
アインシュタインとの友情(3)
今から102年前、日本へやって来た20世紀最高の物理学者・アインシュタイン。
彼が福岡を訪れたのは、二人の医師、そして音楽がきっかけでした。
日本に向かう船上で体調を崩したアインシュタイン。
彼を診療したのが、九州帝国大学外科教授の三宅速(みやけはやり)でした。
その感謝を伝えようと、本来予定に無かった福岡を訪れることにしました。
実は、福岡にはもう一人会いたい人物がいたのです。
精神科医の榊保三郎(さかき・やすさぶろう)。
彼は、日本初のアマチュアオーケストラとなる九大フィルハーモニー・オーケストラの創設者でした。
榊とアインシュタインを結びつけたのは、音楽でした。
医学に携わる傍ら、バイオリンの名手でもあった榊。
実はアインシュタインも幼い頃から大の音楽好きで、「もし、物理に人生を捧げていなかったら音楽家になりたかった」と語っていたそうです。
アインシュタインと榊は、お互いにバイオリンを嗜んでいたことから、交流を深めていたようです。そしてアインシュタインは、榊の自宅を訪問したのです。
九州大学 松村晶 名誉教授
「榊教授宅に下宿していた学生さんが、突然アインシュタイン博士が現れて驚いたそうです。」
再会を祝し二人は、音楽談義に花を咲かせたことでしょう。
福岡の地で奇跡の物語を繋いだアインシュタインと二人の医師。
このあと、更なる奇跡が―。