【日本酒蔵元❶】「純米の祝酒」浜地真太朗さん
2026年01月04日

糸島半島の東部、福岡市西区で、1870年創業以来150年以上にわたって酒造りを営んできた浜地酒造。
浜地真太朗さんは、「杉能舎(すぎのや)」の屋号を持つこの造り酒屋で、醸造の責任者を務めています。
東京農業大学を卒業後、酵母や菌の研究に携わり、その後、実家で蔵人として酒造りに携わった後、ビールの醸造を学ぶために単身で海外へ留学。
帰国後は、実家で日本酒造りビール造りと、浜地酒造が作り出す多種多様な酒造りに携わってきました。

「一麹、二酛、三造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)」。
日本酒造りにおいて欠かすことのできない重要な工程を示す言葉どおり、杉能舎は「麹造り」にこだわり、米からのアルコールのみで造る「純米酒」しか作らない「純米蔵宣言」をしています。
原料となる酒米、特に地元糸島産の「山田錦」にこだわりを持ち、産土の地で生まれた米で産土の酒をつくることを大切にしているのです。

浜地酒造「杉能舎」の日本酒は、長きにわたって地域の神社などへ、お神酒の奉納といった役割も担ってきました。
真太朗さんも、「祝いの酒」を造ることへの信念を持っており、「ハレの日に飲まれるお酒だからこそ、我々も身が引き締まる思いです。
封を切った時に美味しいと思ってもらえるお酒を造りたい」と、意気込みを持って冬の酒造りに励んでいるのです。

真太朗さんが未来に残したい風景は「八坂神社」。
糸島地域、特にこの地域は、背振山系からの清らかな伏流水が地下水脈として豊かに張り巡らされており、これが杉能舎の酒造りの源となっています。
地域で代々守り継がれてきた八坂神社と、それを囲む鎮守の森の木々の根が雨水を蓄え、「天然のダム」としての役割を果たしてきたのです。
酒造りの命である地下水、それを守る鎮守の森、そして地域。
真太朗さんは、杉能舎の先達が守ってきた酒蔵としての地域とのかかわりを、今後も大切に守り育てていきたいと考えています。