【3/29かすやパンマルシェ】生まれ育った粕屋町で、パンと一緒に「笑顔」を届ける『たかばしBake』(福岡・粕屋町)【まち歩き】

福岡県糟屋郡粕屋町。空港や博多に近く、近年人口も増え続けているこのベッドタウンの片隅に、須恵川沿いの古民家を改装したパン屋がある。『かばしBake(ベイク)』。瓦屋根の日本家屋に足を踏み入れると、焼きたてのパンの香りとともに、温かな空気が迎えてくれる。

■地名からとった「たかばし」という名前

店名の「たかばし」は、お店が位置する粕屋町仲原地域の地名に由来している。生まれも育ちも粕屋町という店主の山田創(はじめ)さんにとって、この名前は地元への愛着そのものだ。

「ずっとここにいたい。ここでずっとなにかできたらいい」と山田さん。実家を改装して開いたこの店は、そんな思いを形にした場所でもある。


■食品サンプル職人からパン職人へ

山田さんのキャリアは、パン屋とは異なるところから始まった。以前は飲食店などに展示されてある食品サンプルを作る職人として働いていた。しかし、35歳頃転職を考えるようになり、人生を見直すことになる。

「この先どうしようかなと考えている時に、実家のこの場所があって、何をしたらいいか、何ができるか、何をしたら喜ばれるかなって考えた」。

もともとお菓子作りは好きだったが、パンは初めてに近かった。それでもパン作りに向かったのは、この場所で地域の人に喜ばれることをしたい、というシンプルな思いから。

食品サンプル作りとパン作りを直接結びつける意識はなかったというが、「やっぱり人に見せるというか、造形の意識はしているのかなと思います」と山田さん。過去の職人経験が、パンの形や仕上がりへのこだわりとして、いつのまにか息づいている。

■こだわりは「近いものから」、でも素直に

食材のこだわりについて聞くと、「なんやろかな」と少し考えてから答えてくれた。

「近いものから使っていこうっていうところはあります。ただ、一番人気の食パンだけは外国産の小麦なんですよ。イメージした食パンが、国産じゃできなかった」。

素材よりも味を優先する、正直なこだわりだ。食べる人がおいしいと感じる一品を作ること。その誠実さが、たかばしBakeのパンへの信頼につながっているのだろう。

3年目を迎えた今、「お客さまが来て買っていってくださる」という手応えとともに、次に見つめているのは"人"との関係性だという。

「せっかく地元でしてるから、もっと皆さんと楽しくやっていきたいなって」。


■「今日、誰かと話せてよかった」

奥様が取材中に話してくれた言葉も印象的だった。

「今日誰とも話してなかったけど、話せてよかったって言われる方がいたりとか。愚痴っていかれたり、いいことがあったよとか。病気になったけん、もう来れんかもしれんって言われる方もいるし。でも病気が治ったようで来られる方もいらっしゃるし」。

近所のおばあちゃんたちが集まり、パンを選びながらお互いの近況を報告し合う。「パン屋さんってそんなに会話をするっていう場所ではないと思うんですよ。でも皆さんすごい笑顔で、お互い最近こんなことがあったよとか、元気にしとうとかいう話をしたりとか」。

■予定日に来店、赤ちゃんを連れて再訪

この3年で『たかばしBake』は粕屋町の人たちの人生のそばに寄り添ってきた。

妊婦さんが「今日、予定日です」と言いながら来店し、後日生まれたばかりの赤ちゃんを連れて戻ってきてくれる。小さかった子どもが成長し、しっかりご挨拶ができるようになる。長く通っていたお客様が亡くなり、最後に食べたのがたかばしBakeのクリームパンだったと知る——。

「たった3年ぐらいで、すごいいろいろある」と奥様はしみじみと話した。

「生まれる前から通ってたり、ずっと通ってくださってた方も、亡くなっていかれる方もいらっしゃって。最期にうちのクリームパンを食べてくださったりとかね。寂しいけど、良かったなって思えることもあったり」。


■接客が、いちばんのこだわり

素材でも製法でもなく、「こだわりはなんですか?」と山田さんに聞いたとき、返ってきたのは「接客」という言葉だった。

「笑顔になって帰ってもらえたらいい」と奥様。そこに難しい言葉も哲学的な説明もない。でもその言葉の重さは、地域の人たちの日常に寄り添い続けてきた3年間が証明している。

■これからも、ずっとここで

「このまま長く続けたい」。

山田さんがさらりと言った言葉。大きな展開を語るわけでもなく、でも力強い。

粕屋町で生まれ、ここで育ち、ここで店を開いた。そして、ここで人々の日常に寄り添い続ける——それが「たかばしBake」の姿だ。


■イベント情報|かすやとさくらのパンマルシェ

『たかばしBake』が出店します!

桜満開の駕与丁公園に、町内外から約20店舗のパン屋さんが大集合する「かすやとさくらのパンマルシェ」。おいしいパンはもちろん、楽しいステージや親子で楽しめるワークショップなど、内容盛りだくさんのイベントです。

当日の出品予定商品(一部):
・たかばし食パン【ミニ】 店主のこだわり製法で耳まで柔らかい食パン。まずはそのまま生食がおすすめ。
・湯種ぶどうぱん 九州産小麦の湯種生地。お子様からご年配の方まで幅広く人気。
・照りたまチキンふわふわ
・焼きビーフカレーぱん
・メロンパン
・たまちゃん(粕屋町のゆるキャラ・かすたまちゃん風)
・めんたいフランス 福岡県産小麦のフランスパンに自家製めんたいフィリングを合わせた一品。
※内容は変更になる場合があります。

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■『かすやとさくらのパンマルシェ』
日時:2026年3月29日(日)10:00〜16:00
会場:駕与丁公園・粕屋町総合体育館かすやドーム(福岡県糟屋郡粕屋町駕与丁3-2-1)
アクセス:JR長者原駅から徒歩10分
詳細:粕屋町シティプロモーション
Instagram:@kasuya_citypromotion
https://www.instagram.com/kasuya_citypromotion/
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■『たかばしBake』
住所:福岡県糟屋郡粕屋町仲原1丁目19-8
電話番号:070-9155-6353
営業時間:9:00〜19:00(日曜のみ 9:00〜14:00)
定休日:火曜日 ※都合により変更の場合あり
Instagram:@takabashibake
https://www.instagram.com/takabashibake/
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■ たかばしBake

住所:福岡県糟屋郡粕屋町仲原1丁目19-8
Instagram:@takabashibake

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