連載企画『一人一花 はなきん便り』(毎週金曜日配信)では、「金曜日に花束を」というテーマのもと、知っておきたい花や緑に関するニュースをお届けします。
今回は今春開催される「Fukuoka Flower Show(以下、FFS)」の中でも、注目の「福岡蘭展2026 FFS Special Exhibition」について、老舗ガーデンセンター『平田ナーセリー』代表・平田恭章さんに、これまでの枠を超えた新たなエキシビションの全貌についてお話を伺いました。
◾️蘭の扉をすべての人へ。愛好家の枠を超え「植物との出会い」を最大化
福岡ドームなど大型施設で開催していた前身の頃からは約30年、今のように店舗を会場に開催するようになってからは約10年続いてきた「福岡蘭展」ですが、FFSでは新たな展開をお見せしたいと思います。
これまでは、どちらかというと蘭を深く愛するコアな愛好家の方々に支えられてきました。しかし今回の『福岡蘭展 FFS Special Exhibition』が目指すのは、その裾野を劇的に広げることです。ガーデニングを趣味にする方はもちろん、これまで植物に触れてこなかった方、さらには造園や行政、企業の方々まで、もっと広い層に向けて扉を開放できればと考えています。
園芸の世界は、一度興味を持っても、実践する人が多くないという課題があります。だからこそ、私たちは敷居を下げ、誰もが入りやすいラインナップと導線を整えました。私はよく「これは植物とお客さんの合コンですよ」と冗談めかして言うのですが(笑)、出会いの接点数を増やすことこそが、文化を守り、広げるためにとても大切なことだと実感しています。
◾️「見る」から「繋がる」へ。プロの導きで植物園の価値を再発見する体験
新規の人に蘭の魅力を伝えるためには、単に綺麗に並べるだけでは不十分です。そこで今回は、専門家による対話型の体験を重視しています。
例えば、NHK『趣味の園芸』でもおなじみの熱帯植物栽培家・杉山拓巳さんを招いた「かっこいい植物園ツアー」。
昨年のプレ大会では予約開始わずか20分で埋まったほどの人気企画ですが、これはプロが温室を一緒に歩きながら、展示の裏側や蘭の生態を直接解説するものです。初心者が感じる「素敵だけど、難しそう」という不安を、会話を通じて解消し、自然な形で「育ててみたい」という想いへ繋げていく。
温室全体を回遊しながら、植物の見方や楽しみ方を再定義するこの試みは、来場者の皆さんにとって、植物園という場所そのものをアップデートする体験になるはずです。
専門家の知見を借り、解説不足で埋もれていた蘭の驚異的な魅力を、余すことなく可視化していきます。
◾️装飾そのものを持ち帰る。テレビチャンピオン初代王者が仕掛ける「体験型販売」
従来の蘭展の多くは、多額の予算をかけて豪華な展示を作っても「見て終わり」になりがちでした。しかし、本イベントは明確に「手にして育てる喜び」へと舵を切ってみたいと考えています。
会場装飾を手掛けるのは、テレビ番組『テレビチャンピオン』のガーデニング初代王者である玉井禎晋さんです。玉井さんには、会場の芸術性を高めてもらうだけでなく、『飾ってあるその植物を、その場で買える』という体験型販売を演出してもらいます。これは、憧れをそのまま形にして持ち帰っていただくための挑戦です。
さらに、蘭以外の植物や関連資材も扱う「グリーンマーケット」を併設し、購入後の育成サポートも徹底します。
私たちは「持ち帰ってからもうまくいく」支援をセットにすることで、花と緑がある暮らしを一時的な流行ではなく、継続的な趣味へと昇華させたい。
20年以上の歴史があるイベントだからこそ、今の時代に求められる「育てることを中心に考える」イベント企画へと進化させる必要があるのです。
◾️福岡市植物園の魅力の再定義。常に新しい発見がある温室はまちの宝物
会場となる福岡市植物園、特に温室のポテンシャルは計り知れません。
専門家の目から見れば、有名建築家が手掛けたこの空間は非常に贅沢で、都市の宝と言えます。
私はここを、常に新しい発見がある場所にしたい。今回の「福岡蘭展2026 FFS Special Exhibition」がそのきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。
植物園は、単に花を見せる場所ではなく、種の保存や教育の拠点です。
イベントを一過性の祭りで終わらせるのではなく、新たな楽しみ方を常に提案して、文化の創造を共に継続していくことで、植物園自体の価値や都市としての評価を高めていく。それが、この街で園芸を担う私たちの使命だと感じています。
◾️蘭は都市の豊かさの指標。文化の裾野を広げ、次世代の生産者を守るために
私にとって蘭は、その地域の経済的・文化的豊かさを映し出す『指標』のような存在です。
世界を見渡しても、盛大な蘭の祭典が開かれる街は、総じて活気があり、住みやすさの評価も高い。福岡市が花と緑に投資し、観光資源化していることは世界的に見ても先駆的です。一方で、九州の蘭生産者は拠点を失うなど厳しい状況にあります。蘭は一生をかけて付き合えるほど奥深く、狭いスペースでも楽しめる、現代のライフスタイルに最適な植物です。
この蘭展というプラットフォームを通じて、一般の方々が蘭の多様性に出会うチャンスを定期的に作り、市場を活性化させることで、生産者支援やコミュニティの再生に繋げていきたい。
蘭は単なる装飾ではなく、人生に彩りを与える「生きる価値」そのもの。そんな蘭文化を福岡の新しい個性として根付かせていきたいですね。
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【公式】福岡市 一人一花運動
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『Fukuoka Flower Show 2026』
開催日時:2026年3月22日(日)〜26日(木) 10:00〜18:00(※25日は21:00まで)
※『福岡蘭展 FFS Special Exhibition』は3月22日(日)・23日(月)の2日間限定開催
会場:福岡市植物園(福岡県福岡市中央区小笹5-1-1)
https://fukuokaflowershow.com/
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◾️『平田ナーセリー』
住所:福岡県久留米市善導寺町木塚288(本社)
電話:0942-47-3810(本社)
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし(正月を除く)
HP:https://hirata-ns.com/
公式インスタグラム:
Instagram:@hirata_nursery_official
https://www.instagram.com/hirata_nursery_official/
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