【秋の酒蔵探訪⑩】今年初出荷!“日本酒文化の再興を…”福智町から新風吹き込む「天郷醸造所」(福岡県福智町)

天郷醸造所は、2025年に福岡県福智町で初めて酒の出荷を迎えた新しい酒蔵です。代表の中山雄介さんは、全国の酒蔵を巡る中で、年々失われていく日本酒造りの伝統産業を憂い、「先人たちが守ってきた英知を、後世に残したい」という強い想いから、故郷である福智町にこの酒蔵を建てました。天郷醸造所が目指すのは、「日本の酒」であり「体験」です。「酒と土地と人との想いが重なり合って生まれる光の結晶」という理念のもと、日本酒文化の新しい扉を開いています。

天郷醸造所の酒造りを支える最大の柱は、徹底した原料へのこだわりです。酒米には、同じ福智町の田んぼで合鴨農法によって育てられた「ヒノヒカリ」を使用。合鴨が雑草や害虫を抑える循環型農業によって、農薬・化学肥料に頼らず健やかに育まれた米です。仕込み水は、福智山のミネラル豊富な中硬水(地下伏流水)。さらに希少なラドン鉱泉水も取り入れ、北九州・筑豊の山々と地層の記憶を宿した水の力を最大限に引き出しています。この「自然そのものを使った」原料を、手作業も交えて丁寧に醸しています。

天郷醸造所のフラッグシップは「天郷(あまのさと)」です。合鴨農法米「ヒノヒカリ」の旨みを最大限に活かし、まろやかでキレが良い辛口に仕上げた純米酒。発酵工程では、純正律音源や雅楽など日本古来の振動音響も聴かせ、まろやかな味わいに仕上げるというユニークな工夫が凝らされています。味わいは「ほどよい甘みと旨みが広がる上品な味わい」で、煮魚や煮物などしっかり味付けされた料理と相性が良く、食中酒として真価を発揮します。

天郷醸造所は、「1年目だからこそ色々なチャレンジができる」と語る通り、個性的な酒にも挑戦しています。その一つが「寒夜(かんや)」です。レモンの爽やかな香りと旨みが溶け合った冬季限定の酒で、温めると透明感が和らぎ穏やかなぬくもりが広がります。また、「諸奏(しょそう)」はやわらかな旨味とすっきりとした余韻が特徴の一本。福岡県産の山田錦のみを使用し、「伝統」と新しい酒造りの調和を追求しています。天郷醸造所はこうした酒造りを通じて、地域と日本酒文化の再興に挑んでいます。

「天郷醸造所」
住所 福岡県田川郡福智町上野3109-38

■ 天郷醸造所

住所:福岡県田川郡福智町上野3109-38
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