カレー通も唸る!創業50年の本格カレー店『カリーレストラン春日ロッジ』自然の味にこだわり抜いた「骨付きチキンカリー」が絶品(福岡・筑前町)【まち歩き】

福岡県朝倉郡筑前町の永利牧場内に佇む三角屋根の建物。ここが1972年創業の老舗カレー専門店『カリーレストラン春日ロッジ』の現在の姿だ。春日市で46年間愛され続けた名店が、2017年にこの地に移転してから7年が経つ。店主の山田さんに、移転の経緯や料理へのこだわり、そして人生観について話を聞いた。

■四角い空から解放されて——移転への想い

「段々と建物が建って都市化が進むにつれて、空が四角に見えるようになってきて。広い空の下でお店をしたいなと。春日ももともと筑前町のような自然豊かな環境だったから」。
移転のきっかけは、昔からの知り合いだった『永利牛乳』の長谷川夫妻さんからの誘いだった。牧場の建て替えを機に「一緒にやらないか」と声をかけられ、現在の場所で営業することになった。

■手間ひまかけた本格カレー

『春日ロッジ』では、欧風カレーとインド風カリーの2種類を提供している。
インド風カリーにはチキン、魚介、子羊のバリエーションがあり、それぞれのカレーごとに専用の鍋で調理。後から具材を乗せるスタイルではなくそれぞれの鍋で調理している。
特に人気の「チキンカリー」(1,650円税込)は、骨付きのまま調理するのが特徴だ。「ルーを作ってソースを作るんですよ。その中に入れて、オーブンの中でゆっくり90分。取り出して、それから30分間ぐらい寝かすんです。だから合計2時間くらい」。
ルー作りにも2時間をかけ、玉ねぎは手切りにこだわる。「ミキサーで切ったら味が全然別物になってしまって。ミキサーで切るとどうしても引きちぎったような切り方になるんです。包丁で切るとある程度キューブ型になるので、火が入った時に玉ねぎが綺麗に溶けます」。

■自然の旨味を大切に

山田さんのカレーの最大のこだわりは、自然の旨味だけで作り上げること。
「うちのカレーは自然の旨味だけで作ったカレーだから、若い人には物足りないかもしれません。でもそれなりに味は入ってると思います。だからうちのカレーは後味がいいですよ。胸焼けしません」。

■時代の変化と店主の発見

最近の客の行動にも変化を感じている山田さん。スマートフォンやSNSの普及で、料理が出ても食べる前に写真撮影に時間をかける客が多くなったと感じているが、意外にも新たな発見があった。
「最初は出来立ての熱々を食べてほしいと思っていたんですが、ちょっと一肌冷めたぐらいの方が味に深みを感じられるんですよね。あんまり熱いと、舌が味を感じにくいんでしょうね。その点はカレー本来の味を感じていただけることができてよかった」。

■人との繋がりを大切に

75歳での引退を目標に、現在週5日の昼間のみ自分らしいペースを大切に営業している山田さん。それでも店を続ける理由について、「こうやってお店をしてるといろんな人とお話ができるじゃないですか。それがいいですよね」と語る。「自分の家に居していたら、例えばあなたのような取材で来る若い人と話す機会はないじゃないですか」。
店内にはレコードコレクションが飾られ、昭和の時代から集めた思い出の品々が並ぶ。「これはお客さんに聴かせるためのレコードじゃなくて私が聴くんです」と微笑む山田さんの表情には、自分らしいペースで人生を楽しんでいる満足感が滲んでいた。

春日ロッジに行く際は、山田さんの人柄もぜひ一緒に感じていただきたい。


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■『カリーレストラン春日ロッジ』
住所:福岡県朝倉郡筑前町1650-1(永利牧場内)
電話:0946-42-5578
営業時間:11:15〜15:30(LO14:30)
定休日:火・水曜日
備考:支払いは現金のみ
公式HP:http://www.csf.ne.jp/~kasugalodge/

■ カリーレストラン春日ロッジ

住所:福岡県朝倉郡筑前町1650-1(永利牧場内)
公式HP

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