

佐賀県唐津市にある『三里窯』では、87歳になる陶芸家・浜本洋好さんと弟子の水上敬海さん(26歳)が、割竹式の登り窯を使い、土や炎と向き合いながら器を生み出しています。

浜本さんのこだわりの一つが素材です。もち米の藁を灰にして釉薬を生み出す「斑唐津(まだらがらつ)」は、青や黒の斑模様が特徴的。独自の青の色を出すため、今では希少となった昔の品種の種を研究所から50粒取り寄せ、農家と協力して米を栽培し、灰を作り出しています。「自分はセンスなんてない。ただ素材と向き合うだけ」と語るその姿には、謙虚さと職人としての強い信念が宿っています。

そんな師匠の背中を追うのが水上さんです。幼い頃から家で使っていた器がすべて浜本さんの作品だったとか。保育園の頃から陶芸家を志し、大学時代にはコロナ禍で通学が制限される中、『三里窯』でアルバイトを経験した後、弟子入りを決意しました。「こんな素敵なものがどんどん廃れていって無くなるのが、ずっと嫌だなと思っていた」と語ります。

「唐津焼は敷居が高いと思われがちだけど、もっとポップに日常で使ってもらえたら」と水上さん。浜本さんの精神を受け継ぎつつ、現在は、ポップアップイベントを行ったり、SNSを使って制作風景や作り手の人柄が伝わる映像や情報を発信。伝統を守りながら、若い人にも手に取ってもらえるようにマグカップやお香立てなど、現代のライフスタイルに寄り添う器づくりにも挑戦しています。

「ろくろを引くだけでうれしくなるし、きつい作業でも難なく没頭できます。同じ絵を百枚とか一気に描いたりとかできちゃうぐらいなんで、やっぱり唐津焼と三里窯のことが好きなんだろうなって自分でも思います」と少し照れくさそうに話す水上さんにとって、浜本さんと作る器は日常そのもの。登り窯が減っていく中でも、師匠が積み上げてきた物を守り抜いて「絶対意地でも辞めない」という強い覚悟を持って、日々、唐津焼と向き合っています。
■三里窯
住所:佐賀県唐津市北波多稗田3111
Instagram @takami.sanrigama
https://www.instagram.com/takami.sanrigama/
※営業時間・定休日・記載の内容などは変更している場合がございます。事前にご確認ください。
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■ 三里窯
住所:佐賀県唐津市北波多稗田3111
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