手作りワッフル&王道プリン!田園風景のティールーム「June Berry」で自然に包まれるひとときを。(福岡・東峰村)【まち歩き】

福岡県の山あい、自然豊かな東峰村。そののびやかな田園風景の中に、温もりのある木造りのお店が佇んでいます。「Tea room June Berry(ジューンベリー)」は、紅茶やコーヒー、手づくりのスイーツとともに、ゆったりとした時間を過ごせるティールーム。

広々とした木の温かみあふれる空間に足を踏み入れると、まるで自然の中に溶け込むようなひとときが始まります。

■ 季節を召し上がれ——サクッと軽やか、手作りワッフル

まず味わっていただきたいのは、定番人気の「ベリーワッフル」。3種のベリーがたっぷりとあしらわれ、サクッと軽い食感のワッフル生地との相性が抜群です。ベリーの甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、午後のティータイムがちょっと贅沢なひとときに変わります。

「ベリーワッフル」と「バナナワッフル」は通年楽しめる定番メニュー。どちらも素材の持ち味を活かした素直な味わいで、訪れるたびにホッとできる一品です。冬季は「栗とあずきのワッフル」夏季は「マンゴーワッフル」など季節限定のメニューも登場し、何度でも楽しみたくなる魅力があります。

■ 懐かしくて、おいしい「王道プリン」

もうひとつ、ぜひ味わってほしいのが「王道プリン」。名前の通り、昔ながらの固めカスタードプリンで、どこか昭和の喫茶店を思わせるような素朴な甘さが魅力です。

しっかりとした食感に、ほんのりビターなカラメルが絡み合い、ひとくち食べるたびに記憶の奥にある“懐かしい味”を呼び起こしてくれます。手づくりならではのやさしさと真面目な美味しさが詰まった一皿です。

■ 手描きメニューと、ハンモックと、蝶の訪れる庭

店内の黒板に描かれたメニュー表は、店主の柱さんがひとつひとつチョークパステルで描いたもの。柔らかな色づかいと温かみのあるタッチに、自然と心がほぐれていきます。

テラス席にはハンモックも設けられており、目の前の緑を眺めながら本を読んだり、ただぼんやりと空を眺めたり——そんな贅沢な時間を過ごすことができます。おひげが特徴の看板猫「ぷりんちゃん」の姿を見かけるのも、ここならではの癒し。テラスはペット同伴OKで、人と動物が共にくつろげる開かれた場所です。※ペット同伴は予約制。また、規定がございます。詳しくは店舗へ直接お問い合わせください。

お店の周囲には、季節の花々が彩る庭が広がっています(写真下はクリスマスローズ)。その庭には、フジバカマをはじめとした植物が植えられ、旅する蝶・アサギマダラがふらりと立ち寄るように設計されているのだとか。「蝶が来てくれると、自然とのつながりを感じられてうれしいんです」と話す柱さんの目はやわらかく、自然との共生への思いが静かに伝わってきます。


■「自然と共に暮らす」ための挑戦

今から23年前、柱さんがこの店を始めたきっかけは、ご主人の「やってみたら?」という何気ないひと言でした。全くの未経験からのスタートでしたが、この東峰村の自然に背中を押されながら、少しずつ形を整えていきました。

その後、2017年の水害で一時休業を余儀なくされながらも、テラス席を増築し、より自然に近い空間へと進化を遂げました。試行錯誤を重ねながら、今も変わらず「自然と共にある暮らし」を実現し続けています。

■ 玄関前のジューンベリーに、ふたりの記憶を重ねて

「June Berry」という店名は、ご主人と共に過ごした思い出の木——玄関前に植えられたシンボルツリーのジューンベリーに由来しています。その名の通り6月に赤く可愛い実をつけるその木は、四季の変化を静かに知らせてくれる存在であり、今も変わらずお客様を迎えています。

お店を建てた当時、内装や外装の塗装はすべてご主人の手仕事。約一年をかけて、丁寧に仕上げられた木造りのお店には、暮らしの中で少しずつ形づくられてきたぬくもりがあります。さらに、玄関へと続くアプローチのレンガ貼りや、庭の木々もすべてご夫婦の手で植えられたもの。ひとつひとつに、ふたりで選び、時間をかけて育ててきた思い出が宿っています。それらの木々は、まさに“シンボルツリー”として、今も静かに風に揺れながら、この場所の歴史を語りかけてくれます。

店のロゴには猫のイラストも添えられ、ここが“人と動物と自然が共にある場所”であることをそっと伝えてくれます。その背景には、ご夫婦が共に歩んだ日々と、今なお大切に守られている想いがあります。


■ 日々の喧騒から、そっと離れて

取材の日、いただいたのは浮羽産の紅茶。まろやかな味と優しい香りが体に染みわたり、気づけば深呼吸を繰り返していました。

「SNSで映えるより、心が整う場所でありたい」。そんな柱さんの想いが、空間の隅々にまで行き届いています。訪れるお客様も、自然のリズムを大切にしたいという静かな方が多く、店主にとってもそれが何よりの喜びだといいます。


■ 心が「ただいま」とつぶやく場所

もし、どこか遠くへ行きたいと感じた日があったなら。福岡県東峰村「Tea room June Berry」を、ぜひ思い出してみてください。
そこには、お茶とお菓子、猫と風、そして自然と共に暮らす店主の物語があります。きっとあなたの心も、「また帰ってきたい」とそっとつぶやくことでしょう。



■Tea room June Berry
住所:福岡県東峰村大字小石原鼓3964-1
TEL:0946-72-2566 
営業時間:11:00〜17:00
定休日:火・水・木曜日(祭日の場合は営業)
駐車場:あり

※4名様以上のグループの方は対応できない場合があるそうです。事前にお問い合わせください。

[メニュー(一部)] 以下税込
・ベリーワッフル 950円 ・バナナワッフル 850円
・王道プリン 550円 ・紅茶(浮羽産) 600円
・ブレンドコーヒー 550円 ・柚子ジンジャー(東峰村産) 650円

[HP]
https://www.instagram.com/tofoj_b2002?igsh=b3g3MWlwZHJnN3hx

URL:https://www.instagram.com/tofoj_b2002?igsh=b3g3MWlwZHJnN3hx

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