【クチコミ】地域資源を生かしてヒトとモノを結ぶ『町家キュレーション おもやい』(八女市)
福岡県八女市福島地区にある、築150年以上の町家を再生した『町家キュレーションおもやい』では、100年の歴史を誇る伝統の竹工芸品「八女すだれ」を使ったインテリア雑貨を販売しています。
オーダーすだれの他、すだれバッグやすだれコースター、イラストが描かれたすだれアートパネルなど、珍しい“すだれグッズ”をたくさん取り扱っています。
“すだれ”の製造販売をする会社で商品開発をしていた中村昌史さんは、化学製品の普及によって衰退していく竹産業を守りたいと一念発起。
会社を辞め『町家キュレーションおもやい』を設立しました。
荒れ果てる放置竹林を整備し、地元の竹産業で使用できる良質な竹を育てられるように尽力。また、竹などの資源と地域の人やモノをつなげる架け橋となり、八女の自然や町並み、伝統や文化を守り続ける活動をしています。
中村さんは、福岡県の八女・うきは地域の一部でしか生育していない“皮白竹(かしろだけ)”にも注目。”皮白竹”は斑点が少なく、白皮が美しいのが特長。江戸時代には久留米藩の重要な収入源で、藩外への持ち出しが禁じられるほど、高価なものだったそうです。
上等な雪駄や版画の刷り具“バレン”の材料として使われている“皮白竹”ですが、他に活用できないかと考えた中村さんは、地元の和菓子屋さんへ出向き、饅頭の下に敷く経木(きょうぎ)として使うことを提案。竹の風合いが、より和菓子のおいしさを引き立たせてくれ、抗菌効果もあると採用されたそうです。
※写真は『菓子処きくや(八女市)』の「蒸し金つば」
地域資源が人とモノをつなぐだけでなく、人と人もつないでくれます。
伝統工芸品「八女すだれ」を使った「すだれ越し恋活」は、中村さんがプロデュースするイベント。お互いの顔を合わせずに、すだれ越しに男女が会話を楽しむというスタイルが、平安時代にタイムスリップしたみたいで、どこか奥ゆかしいと人気に。これまで7回開催し、めでたく結婚までに至ったカップルが3組もいるそうですよ!マッチングアプリが流行する時代に、あえての超古典的手法が逆にいいのかもしれません。
興味のある人はHPやインスタを随時チェックしてみてください。
https://www.instagram.com/omoyai_yame/
9月22日(金)、23日(土祝)、24日(日)の3日間「八女福島の燈籠人形公演」が催され、旧往還道路沿いには出店が並びます。『町家キュレーションおもやい』からも竹製品販売の他、子どもも大人も楽しめるワークショップ「すだれお絵かき教室」を開催します(1回500円~ ※額ありは1500円)。
すだれをキャンパスにしたお絵かきは楽しそう♪ ぜひ、八女の伝統あるお祭りと白壁の町並みで、秋の始まりを感じてみてはいかがでしょう。
『町家キュレーションおもやい』
福岡県八女市本町226-1
月、火曜定休
※この記事は、八女市・Aさんの投稿を元に取材致しました。ありがとうございました!