サイクリングなら遠賀川!! 広まるサイクルブームに懸ける思い～ふるさとWish直方市～

遠賀川に沿って拓ける筑豊平野のほぼ中央に位置し、街の東側には福智山がそびえる福岡県直方市。春には13万株のチューリップが色鮮やかに咲き誇り、多くの人が訪れるこの街ですが、人口減少が続いています。そんな直方市を今、「自転車で元気にしよう！」と奮闘する人をご紹介します。

絶景広がるサイクリングロードが街に新風を巻き起こす？！

明治から昭和初期にかけ、筑豊炭田の集積地であった直方市。交通の要衝としても栄え、麻生、伊藤、安川などの財閥が集まる会議所が設けられ、財閥の社交所でもありました。料亭や花街があり、商店街も人と活気にあふれていましたが、近年は人口減少に苦しんでいました。しかし近年のサイクリングブームでじわじわと街に人が集まるように…。商店街にある地元銘菓、成金饅頭の店「大石本家」でも、サイクルスタンドを設置。ここは数年前、SNSを通じてサイクリング客が訪れるようになったとのこと。店を切り盛りする迎清子さん曰く、「元気な人たちにエネルギーをもらっています」とにっこり。取材当日もサイクリストたちが訪れ、大きな成金饅頭を片手に休憩していました。

実は、直方市は季節によって春は菜の花、秋はコスモスなど花が楽しめ、遠賀川を渡る涼しい風が心地よい絶好のサイクリング―ドを有した街。福岡県が1984年からサイクリングロードの整備をはじめ、現在完成している宗像市～中間市の海沿いを走るルート、直方市～飯塚市の遠賀川沿いを走るルートに加え、今秋は中間市～直方市を走るルートが完成し、70kmを一気に走れるように。そこに注目したのが、スポーツバイク店で働いた経験がある二坂満理子さんです。

サイクリストのオアシス、キッチンカーから街の魅力を発信！

二坂さんは、街に活気をもたらすサイクリストたちのための環境を整え、直方市の魅力を多くの人に知ってもらうきっかけになればと思い立ち、サイクリングロードである河川敷近くの土地を借り、キッチンカーを配置した休憩所を設置することに。4月下旬完成予定で連日作業を進めています。「河川敷に配置しても映えるように」とこだわった新車のキッチンカーでは、「持久力を高めるために」と、スポーツサイクル店勤務の経験を活かし、カフェインレスコーヒーや、お酢ソーダなど、健康志向を意識したメニューを提供予定です。

実際、一足早くイベントでお披露目した際は、続々とサイクリストが訪れ、「街とサイクリングロードを結ぶキッチンカーがあると、直方にはほかにもいろんなものがあるのかもと楽しみに感じます」と好評価。手ごたえを感じた二坂さんは、ますます意欲に燃えた様子でした。

街の魅力を楽しむためにと広がったサイクリングブームに見られるように、「楽しく、おいしく、スポーツを」という時代に変化した今、その波が街に新たな活気をもたらすと、直方市では今後さまざまな取り組みも行われる予定です。

これからの季節、鮮やかな花々、心地よい風を感じる絶好のサイクリングシーズン。自然豊かな直方市ならではの風景が広がるサイクリングロードを走って、街の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

※この記事は2019年の情報です（「シリタカ！」4月3日放送）。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。