ママたちの心を癒やし寄り添う絵本屋さん「こどもの本専門店　エルマー」~ふるさとWish春日市~

お店の真ん中にはつやの出た木のテーブル。普通の本屋では見たことがない絵本が並び、店主は売る気があるのかないのかお客さんと話し込む。。。そんな“絵本に出てくるような絵本屋さん”が、春日市にあります。

西鉄春日原駅から徒歩1分。黄色い屋根が目印の「こどもの本専門店 エルマー」には、今日も小さい子を連れたママが集まっています。

店主の前園敦子さんは、自分の経験を生かして、何かお母さんたちの支援ができないかと一念発起。「私が（子育てで苦労しているとき）本を読み聞かせることで、やさしい気持ちを取り戻せた。だから、地域に根差した本屋さんを開きました」と話します。

育児ノイローゼから救ってくれたのは絵本だった

前園さんは、2人の子どもを育て上げました。でも、長男の出産後は初めての子育てに悩み、育児ノイローゼに…。「この子のために頑張らないと！と思って、嫌なこともずっと我慢し続けていました。育児書を読んでその通りにしても、まったく泣き止まない…毎日その積み重ねでノイローゼになってしまったんです」。

すさんだ前園さんの心を丸くやさしくしてくれたのは、絵本でした。子どもたちはガミガミ怒られた日に、決まって同じ本を寝る前に持ってきたそう。前園さんは読み聞かせをしているうちに、「私、この本を読んでいるときはやさしい声になっている！」と気付いたそうです。子どもたちは、敏感に感じ取っていたのですね。

そんな経験が、今生かされています。前園さんが選んでくれる本は「本当にぴったり！」だと常連客に評判。「子どもの発達と状況が見えるから、適切な本が分かる」と前園さん。そして「仕掛け絵本や音が鳴る本は一切置かない」というこだわりも。なぜなら「子どもたちにとって本は“心の友だち”だから」。ママやパパの声で聞く本の“音”、そこから子どもたちは想像を巡らせます。前園さんは、子どもたちの無限の力を信じているのです。

もし一人で育児に悩んでいたら、エルマーにちょこっと寄ってみませんか？「レジが開かない日もある」ほど、ママと子どもに寄り添ってくれる絵本屋がここにあるのですから。

こどもの本専門店 エルマー
福岡県春日市春日原東町3－16－5
092-582-8639

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。