店主には別の顔も!? 糸島醤油が香り高い茶濁豚骨「らーめん笑喜屋」年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る! VOL.33 ~ふるさとWish 糸島市~

糸島市「笑喜屋」のらーめん(¥600)。糸島醤油を効かせた豚骨醤油。ネギも糸島産を使い、食感を生かすよう斜めにカットしてある

今夏のラストドライブはどこに行く?っとなれば、やはり王道ルート糸島が筆頭だ。インスタスポット・ジハングンに登場した旬なBBQスポット「#LONG」は秋まで営業しているし、8/29(木)〜9/1(日)は「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント2019」、9/7(土)、8(日)には「Sunset Live」などビッグイベントも次々に開催。夏が終わろうとしているが、糸島の楽しみをあげると枚挙にいとまがない。

糸島のラーメンwishは今回が第2弾。前回、鯛に松竹梅を盛り込んだ、めでたすぎる一杯「鯛らーめん 穂と花」を紹介したが、今回はバリうま豚骨といこう。愛すべき大将が迎える糸島市・高田「らーめん笑喜屋」。糸島ドライブの帰り、ラーメンスイッチが入ったとき選択肢に加えてほしい店だ。

豚骨醤油ラーメンを柱に レスラー麺にメヒコラーメン!?

ラーメン激戦区R202の「笑喜屋」。店裏に無料駐車場がある

「らーめん笑喜屋」は国道202号沿い。今宿方面から「安全食堂」「長浜ラーメン力」「安全ラーメン」「寿楽ラーメン」「長崎亭」「劉」などなど、R202は麺激戦区。「笑喜屋」はそんな猛者たちのなかで、10年にわたり勝ち抜いてきた。大将の河野友正さんは、1977年福岡市出身。高校時代、趣味のバンド活動のためにと、名店「長浜ラーメン 力」でアルバイトを始める。「力は超人気店。開店してから常に満席状態が続き、ご飯が食べられるのは閉店後。とにかく忙しかったですが、オープンキッチンでお客さんの笑顔を間近に見られる職場が楽しくてしょうがなかった。“ラーメンってすげーな!” 高校のときすでに将来ラーメン店を開くことを決めてましたね」と振り返る河野さん。力での修業後、他店でも勉強したいと「舩津商店」「味心」など複数のラーメン店の門を叩く。さらに、店を開くとき自分でできた方がいいと、電気、設備工事などのアルバイト。ラーメン店開業に向けプラスと思うことは、何でも挑戦し、とにかく汗を流した。そして満を持して「笑喜屋」を2009年にオープン。

店主の河野友正さん。羽釜で麺を泳がせて湯切り

河野さんが辿り着いたのは豚骨醤油。福岡で広く親しまれる「ニビシ醤油」と、糸島「ミツル醤油」をブレンドしたタレを丼に張り、芳醇な“茶濁スープ”に仕上げる。「豚の頭骨とゲンコツを約18時間炊いてスープをとります。骨の配合は“力”に習い、豚骨醤油の方向性、煮込み方は“味心”をイメージ。自分が惚れ抜いている修業先のラーメンを組み合わせた感じですかね」と河野さん。

ブレンド醤油の甘い香り、程よい豚骨フレーバーがフワリと鼻に抜ける。コクが際立ち、ギトギトしていないので飲みやすい。そして、具材のネギが名脇役。鮮度のいい糸島産ネギを、幅広に“斜め”にカットしているため、食感がシャッキシャキッ! “ネギだく”にして注文したくなる。

ルチャとの出会いで家族の絆も深まり、 ラーメンもより旨くなった。

「笑喜屋」の裏にある「レアル・ルチャ・リブレ」のレスラーたち

ラーメンの旨さももちろんであるが、「笑喜屋」の魅力をさらに伝えるためには店主のライフワークについてふれねばなるまい。ラーメン店主たちの趣味といえば、「名島亭」の城戸さん率いる福岡ラーメンワンダーフォーゲル部(筆者も参加している)があるのだが、「笑喜屋」の河野さんにおいては、なんとルチャリブレ(メキシカンプロレス)である。しかも筋金入りだ。

「笑喜屋を立ち上げた時はゲーセンだった店の裏に、突然ルチャリブレのスクールができたんです。ルチャどころか格闘技にも全く興味はなかったのですが、当時小学校1年生だった息子がやりたいという。ラーメンの仕込みの合間に、息子の付き添いで行き始めたのがきっかけ。すぐに親子でルチャの魅力にどっぷりとハマってしまいました。今では中学校2年生になった息子と週1回練習、試合も毎月行っています。完全に生活の一部ですね」と河野さん。

「聖氣」の名のマスクマンで活躍し、福岡から全国に、ルチャリブレの楽しさを伝える活動を行っている。

店の裏にたまたまできたルチャリブレスクール。ルチャとの出会いで人生観が大きく変わったという河野さん。

「ラーメン店を10年もやってこられたのは正直ルチャのおかげです。以前の私は小さなことでクヨクヨする人間でした。ルチャの魅力は“魂の開放”。スクールに通うさまざまな職業、年齢層の仲間と汗を流すなかで、揺れない心が育まれたと思います。ラーメン作りにもいい影響がでて、格段に旨くなった」。


まぜそば風の「レスラー麺」(¥650)。プロレスラーが作るから“レスラー”、スープが“レス”ラー麺。ダジャレである笑

メキシコの国旗をチーズ入りサルサ、豚バラチャーシュー、ネギなどで再現したメヒコラーメンやレスラー麺など、ルチャにちなんだメニューも人気の「笑喜屋」。店裏にある「REAL LUCHA LIBRE (レアル・ルチャ・リブレ)」も随時見学、体験を受け付けているので、興味のある方はぜひぜひ!

【らーめん笑喜屋】
住所:福岡県糸島市高田5-24-8
電話:092-322-9700
営業時間:10:00〜15:00、18:00〜24:00(LO23:45)、土曜・祝日11:00〜24:00(LO23:45)
休み:日曜
席数:17席
駐車場:9台

上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

らーめん笑喜屋

住所:福岡県糸島市高田5-24-8

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