【ぬかみそだき職人❷】「対面商売」藤田崇秀さん
2026年06月28日

北九州市小倉北区の「旦過市場」で古くから親しまれている郷土料理、「ぬかみそだき」。
イワシやサバといった青魚を、熟成されたぬか味噌でじっくりと煮込む伝統の逸品です。
「ぬかみそだきふじた」では、この代々受け継がれる味を大切に守り続けています。

「ふじた」の伝統の味は、息の合った家族の連携によって守られています。
毎朝6時過ぎから、父の浩三さんが中心となって新鮮なイワシやサバを素早くさばき、その後、弟の晃至さんが約7時間をかけて火加減に細心の注意を払いながらじっくりと炊き上げます。
藤田家に代々伝わる製法と味付けを忠実に守り、どこか懐かしい家庭料理の温もりをお客へ届けています。

お店の顔として販売や営業を担当するのは、元ホテルマンの藤田崇秀さん。
「お客様との会話」を何よりも大切にしている崇秀さんは、観光客や帰省客へも気さくに声をかけます。
「どこまで持って行かれると?」「茨城県まで」といった、何気ないやり取りが生まれる対面販売のスタイルに、強いこだわりを持っています。

崇秀さんが未来に残したい風景は「旦過市場の風景」です。
変わりゆく旦過市場の中で、若い世代には馴染みが薄れつつある「対面商売」を残していきたい。
自分が幼い頃から食べてきた味だからこそ、素直な気持ちでお客にその魅力を伝える。
接客を通して郷土料理を継承していくこと、それこそが一生変えずにやっていきたいことだと崇秀さんは笑顔で語ります。