【建具職人❶】「縁で成す技」前 成美さん
2026年04月12日

成縁組(せいえんぐみ)代表・前成美さん(31)。
大川市の角建具製作所で、福岡県版「現代の名工」角義行さん(90)のもと、組子をはじめとした建具の技を磨き、4年前に地元田川市で独立しました。
建具・組子職人が独立することは、業界では異例のことだそうで、「出会った人たちに支えられて今があります。人との縁を大切にしています。」と語ります。

大川市での修行時代、親方に徹底的に叩き込まれたのは「正しい寸法で作ること」。
「100分の1ミリのミスも許されない」として、機械ではなく、手作業での作業を仕込まれたそうです。
何度も悔しい思いをし、心が折れそうになりましたが、粘り強く技術を身につけていきました。
何度もやめようと思った4年間の修行も、「終わって気付いたのですが、可愛がられていたんだな。」と、自分を支えてくれた人たちのおかげで今があると振り返ります。

「お客様に求められている以上のものを作りたい」をコンセプトに、日々製作に取り組んでいる前さんが今取り組んでいるのは「三次元組子」。
平面だけの表現だった組子を、最新技術を駆使して三次元化する取り組みをはじめています。
組子の新しい表現方法が組子の未来につながると胸をふくらませます。

そんな前さんが未来に残したい風景は田川市の石炭記念公園。
学生時代から友人と通っていた場所であり、大川市から田川市に毎週帰ってくるときに心の支えになっていた景色だそうです。
「あの煙突は、田川のどこからでも見えるトレードマークなんです」。
どこか安心させてくれる場所であり、初心を思い出させてくれる大切な場所なのだそうです。