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【ステンドグラス職人❷】「継承の難しさ」原 義一さん・渡邊久美子さん・伊藤比佐さん

2025年10月12日

2025年10月12日(日)に放送された「九州リースサービスプレゼンツ STORY」は、福岡県糸島市のステンドグラス職人・原義一さんの物語です。

福岡のステンドグラス職人・原義一さんの創作活動は、今、大きな課題に直面しています。
「今までやってきたんですけど後継ぎってのは…難しいかな。」原さんがもらしたこの一言には、芸術分野に携わる若者が減り続ける現状の厳しさが凝縮されています。
さらに、製作に必要なステンドグラスはすべて輸入に依存しており、円安や老舗工場の倒産が重なり、この数年間で素材の価格は5年前の2倍に高騰。
国産ガラスでは強度が不足するため、割高でも外国産を使わざるを得ず、「やるのはいいが、食べていくことが難しい」という伝統を続ける上での大きな壁が立ちはだかっています。
それでも、原さんが制作を続ける理由はただ一つ、「ステンドグラス作りが好きだから」です。
会社を辞めてから50年以上、ジュエリー、アートメタル、ステンドグラスと、好きなことを徹底的に追求してきました。
ともに歩む渡邊さん、伊藤さんは、「先生は休まれないんです。でも、職人さんってそういうものですよね。」と、人生をかけた原さんの姿勢に敬意を表します。
そんな原さん自身は、「僕は好きでやっているから、全然苦じゃないんです。」と語ります。

原さんのものづくりの原点は、「自らで色をつけたい」という強い思い。
元々、金属加工や彫金を行っていましたが、ランプ製作時、傘のパーツに既製品を使うことに納得できず、ステンドグラス製作を独学で始めました。
その徹底した姿勢は、共同制作者の渡邊さんも「45年間見てきましたが、1回も手を抜かないんですよ。本当にすごい。」と絶賛するほどです。

原さんのランプの土台は、鍛造、焼き入れ、溶接、彫金といった様々な加工を銅やステンレスに施すアートメタルという工芸品。
花弁の一枚一枚、植物の構造の一つ一つにまでこだわり抜きます。
その複雑な工程から、「うちぐらいでしょうね。これをやるのは。」と原さんが語るように、ランプの土台作りから手掛けるステンドグラス作家は非常に珍しい存在です。
日本全国のステンドグラス作家に、安価な輸入品ではなく、自身が手がける国産の高品質な土台を使ってほしいという思いから、原さんはECサイト展開など、新しい挑戦を続けています。

原さんが未来に残したい風景は、工房を移した当時住んでいた糸島市野北から見る海の風景。
人柄も風景も素晴らしいこの港町に魅了され、福岡市天神から移り住んだ原さん。
魚がとれすぎた日に漁師さんから魚を格安で譲ってもらうなど、港町らしい素敵なエピソードが詰まった懐かしいこの風景を、原さんは未来に残したいと願っています。

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