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放送内容

「懐かしい記憶」(福岡県福岡市)

2025年06月15日

どこか懐かしく、どこかで見たことがあるような人形と風景。
造形作家・入江千春さんが生み出す「あかり絵の世界」は、ほのぼのとした表情の人形と、昔の記憶を呼び起こすような暖かな光が、物語のように演出されている。
舞台の上で、むじゃきに遊ぶ子どもたちは、博多弁でふるさとを自由に遊びまわっているようだ。

人形は土を素焼きしたものを使用しており、入江さんの感性で着色されている。
頬の色はほんのりピンク色で、季節によって濃淡も変わってくる。
夏の子どもの手は土で茶色く汚れ、冬はしもやけで赤くなる。
細部を見ているうちに、いつの間にか自分の記憶と重なるような感覚になる。
昭和30年代を舞台にしている作品が多いそうだが、その時代を入江さん自身は経験していない。
だが、年配の方は「懐かしかね~」と作品を見て喜んでくれるそうだ。

入江さんの作品を見ていると、人形師という言葉が頭によぎるがそうではない。
むしろ人形を作るよりも、子どもたちが遊んでいる「その時代の舞台」を制作することの方が大変なのだという。
舞台を想像しながら、子どもたちの表情も考えていく。
そして、光を使って映画のワンシーンのようにどうやって演出をするのか。
人の想像を膨らますものが、小さな舞台の中に詰まっている。
2025年6月29日までアクロス福岡で展示されているので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

そんな入江さんが未来に残したい風景は「のこのしまアイランドパーク」だ。
姪浜港からフェリーで約10分、能古島にある自然公園だ。季節の花が多くの人を魅了する場所で、年間約30種類の花が咲き誇る。
園内で入江さんが特に好きな場所は「思ひ出通り」だ。
「ふくおか’82大博覧会」で展示された建築物が移設されていて、昭和の民家や商店、囲炉裏やかまど等が置かれている。
その風景に入江さんは「あたたかい人の匂い」を感じるそうだ。

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あかり絵の世界(アクロス福岡:地下1階特設会場 2025.6.29まで)

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