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薫の日曜日もダイジョブよ!

これはゼヒともIMAX®劇場で!「オデュッセイア」

2026年09月07日

[薫の日曜日もダイジョブよ!]

※この作品のさらに詳しい情報はコチラ→https://odyssey-film.jp/

© 2025 UNIVERSAL STUDIOS

 確実に今年のナンバーワン、いやここ数年のハリウッド作品の中でも群を抜いている。

 宣伝文句の「映画史上初の全編IMAX®撮影による圧倒的な臨場感」という映像だけではない。細部にこだわったギリシャ時代の衣装。古代都市を完全に再現してしまったセット!伝説なのにリアリティありすぎる「トロイの木馬」といったハード面に加え、絶妙な伏線とその見事な回収。多くの教訓を内包しながら破綻しない脚本などなど…。

 やはりクリストファー・ノーラン監督作品でアカデミー賞®最多7部門を受賞した『オッペンハイマー(2023年)』をしのぐ「アカデミー賞®最多受賞記録の更新」を目指したかのような仕上がりだ。

いつ帰還するかわからないオデュッセウスを待つ王妃ペネロペと息子のテレマコスだが、クライマックスでは重要な役割を担う。

 原作は、紀元前8世紀末の吟遊詩人・ホメロスによる叙事詩『オデュッセイア』。本作のオリジナルタイトル『The Odyssey』を見た映画ファンは『2001年宇宙の旅(1968年)』を連想するだろう。あの原題『2001:A Space Odyssey』の後半部分を「オデッセイ」と読む人は多いが(HONDA車のOdysseyもね)、本来は「オデュッセイア」であることを再認識させられた。

 物語はその原作をなぞる形で進む。主人公は「トロイの木馬作戦」を成功させ、10年間続いたトロイア戦争で勝利したギリシャの島国・イタケの王オデュッセウス。しかし、彼はその後10年間にわたって行方不明となる。

 妻で王妃のペネロペや息子のテレマコスらが彼の帰還を待ち続けるなか、戦地から故郷を目指しているオデュッセウスとその船団には次から次へと不幸が襲いかかる。

 不気味な魔女にクリーチャー、そして人を死に至らす“謎の音”などが彼らの行く手を阻む一方、故郷イタケの国内でも不穏な動きが…といったエピソードが、やはりクリストファー・ノーラン作品の『メメント(2001年)』ほどではないにせよ「通常の時系列ではない順番」で披露される。常に頭を回転させておかなくてはならない構成だ。

 観客に2時間52分の上映時間を長いと感じさせない演出だろうが「本当に3時間近くあったの!?」と短く感じるスペクタクル巨編だった。

実際に「トロイの木馬」を作って撮影されたシーンは、準備やリハーサルの段取りを決めるだけでも気が遠くなる作業だったはず。

 ハリウッド作品で主役クラスのキャストが続々と登場する点にも触れなければならない。

 主人公・オデュッセウスを演じるマット・デイモンは、彼の代表作『ジェイソン・ボーン・シリーズ』でのスーパーマン的なキャラではなく「悩み多き英雄」を演じる。

 王妃のペネロペのアン・ハサウェイは、あの『プラダを着た悪魔』のコメディエンヌと同一人物とは思えない演技を披露する。

 息子・テレマコス役のトム・ホランドと言えば『スパイダーマン』。さらにそこで共演し、現在は彼の奥さんのゼンデイヤが“謎の女性”として登場。ここまでくると最近のヒット映画の話題を絡めてのキャスティングかも…と勘ぐってしまう。

 怪しい人物・アンティノオス役のロバート・パティンソンは、やはりクリストファー・ノーラン作品の『TENET テネット(2020年)』でのキャラとは正反対の“極悪人”。

 極め付きは、この前まで『ワイルド・スピード』でジェット戦闘機を操縦していたシャーリーズ・セロンが海の精霊・カリュプソとして登場!

 これだけの主役級オールスターの登場は、監督の政治力に加えて“人徳”がなければ実現できないだろう。。

バットマン俳優のロバート・パティンソンが悪役という大胆なキャスティングで…。

 作品中のCGやVFXは「実写では表現できないシーン」だけの必要最低限になっている。これにより、実際に作られた「トロイの木馬」のリアリティが増幅される。海岸にたたずむ姿だけではなく、トロイア兵士たちが“戦利品”として運んでいく様を目にすると、本来は神話にもかかわらず、あたかも史実のように見えてくるから不思議なものだ。

 当初はギリシャ神話をベースにした「スペクタクル・アクション巨編」という先入観があったが、見終われば「重厚長大で大味なエンターテインメント」ではないことがわかる。

 舞台は古代ギリシャなのに、現代社会の矛盾にも言及する部分があり、それは地球上で今も絶えることのない対立や戦争の悲劇を想起させた。

 特に象徴的なのはエンディングだ。まず、伏線を回収する映像が現れ「これでエンドマークだな…」と思ったのもつかの間、さらにオデュッセウスが登場する。そのマット・デイモン表情は「悩み多き英雄」を通り越して「無意味な争いへの絶望感」「戦いに勝利しても残る虚無感」などがセリフなしで表現される秀逸なショットだった。

風貌がまったく変わってしまったマット・デイモンとゼンデイヤとの関係には驚くばかりだった。

 この作品は9月11日(金) からT・ジョイ博多、TOHOシネマズららぽーと福岡、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ 福岡ももち ほかで全国公開されます。
 また、その全国公開に先駆け、9月4日(金)より10日(木)まで、一部の劇場で【IMAX®先行上映】が実施されます。

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